エクステンションカレッジ「大人のための古典文学」が、チャリティ講座として開講されます

法政大学エクステンションカレッジでは、2003年度より「大人のための古典文学」と題する教養講座を開講してきました。本講座は法政大学で古典文学を専攻する教員が、毎年一つのテーマのもと、リレー形式で各時代の作品を講読してゆくというものです。

本年度、エクステンションカレッジでは、東日本大震災の復興支援の一環として「チャリティ講座」を開講することになりました。そして、「大人のための古典文学」もチャリティ講座として開講されます。チャリティ講座では受講料の一部を寄付金といたします。毎年受講されている皆様はもとより、気軽に古典文学に触れてみたいと考えている方々、学生、大学院生、ご父母の皆様、地域の皆様にぜひともご参加いただきたく、ご案内申しあげます。講座の概要は以下のとおりです。

------------------------------------

大人のための古典文学
「試練のときに――文学の力、あるいは文学の非力」

 あまりにも大きな爪痕を残し、現在も止まるところを知らない災禍を目の当たりにし、命とは、人間とは、文明とは…と多くのことを考えざるを得ない日々が続いています。
 そんな今、古典文学はあまりにも非力です。それでも、この列島に生きた人々がどのように厳しい自然の試練や人間自身の過ちによる危機に向き合ってきたのか、そこであらゆる喪失をどう受け止め、悲哀をいかに生き抜いてきたのか、さまざまに描いてきた作品があります。災害に限らずとも、人が自然にどのような目を向け、どう関わってきたのか、あるいは、人と人がどのように心を寄せ合い生きてきたのか、古代以来の文学が記録してきた人間の営み、人の生の捉え方から、今日を生きる私たちが学べることはないでしょうか。地震研究において古代からの記録の意義が見直されているように、いにしえの人々の言葉に耳を傾け、一緒に思いをめぐらせてみませんか。

各回の講師・テーマ

 10月 8日(土) 田中優子(社会学部教授)
 「震災を読む、闇を読む―新井白石の自伝文学『折たく柴の記』 その他より―」

10月15日(土) 横山泰子(理工学部教授)
 「安政の大地震と関東大震災をめぐる語り」 

10月29日(土) 小林ふみ子(文学部准教授)
 「天災と人災に向き合う江戸の知恵―杉田玄白『後見草』と天明狂歌師たち―」

11月19日(土) 阿部真弓(文学部教授)
 「野分の風を見つめる人々-『枕草子』『源氏物語』を中心に -」

11月26日(土) 山中玲子(能楽研究所教授)
 「寄り添う心―『発心集』―」 

12月 3日(土) 小秋元段(文学部教授)
 「中世の災害を生きる―『方丈記』―」

12月10日(土) 伊海孝充(文学部専任講師)
 「水を司る龍―能〈河水〉―」

時間は毎回、13:30~15:40です。

定員 100名

受講料 一般5,000円、大学生・大学院生3,000円、高校生1,000円

 (「大人のための古典文学」では受講料の50%以上を寄付金とする予定です)

後援 法政大学 国際日本学研究所 能楽研究所 文学部日本文学科

申し込み 法政大学エクステンションカレッジ 03(3264)6243 https://www.hosei.org/ (ホームページからの申し込みが可能です)

なお、同じチャリティ講座として、「尾木ママが語る「大震災後の子どもと教育」」、沖縄文化講座「沖縄の音色と共に沖縄文化にふれる」が開講されます。詳細は法政大学エクステンションカレッジ チャリティ講座のご案内をご覧ください。

Comments are closed.