地方スクーリングin秋田の報告

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  日本文学科の尾谷です。10月28日(金)から30日(日)にかけて、通信教育部の地方スクーリングが秋田で行われ、私は「総合特講」という講義を担当して参りました。「〈ことばの乱れ〉について考える」というテーマで、1日4講、3日間で合計12講義を実施したのですが、偏見は極力排除し、一見すると〈乱れ〉だと思われるような事例でもなるべく言語変化として冷静に受け止め、そういった変化(もしくは誤用)が起こる要因やプロセスについて、論理的かつ言語学的に考えることに主眼を置きました。特に、主観化、脱文脈化、文法化、再分析、比喩(メタファー)、換喩(メトニミー)、混淆、類推違い、ポライトネス理論といった観点から新規表現を分析し、様々な表現が変化したり新しく生まれたりするのには一定の要因があるということを学びました。
  受講生の年齢層が20代~60代までと幅広かったこともあり、新規表現に対する容認度の違いが浮き彫りになる場面も度々ありました。受講生の皆さんにとっては、そういった世代間の違いを目の当たりにすることも、言語変化が気づかないところで静かに起こっていることを実感する良い機会になったようです。「総合特講」は日文科の専門科目ではないため、受講生の8割は他学部生でしたが、我々の母語である日本語がテーマということもあり、学部の垣根を越えて教室全体が一つになって真剣に考えているという雰囲気がとても印象的でした。
(報告者:尾谷昌則)

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