理念・目的
日本文学科は、その創設以来培ってきた「自由と進歩」という大学建学の精神を体現する学風を維持し、日本の文学・言語・芸能の歴史と現状についての先鋭で多様な研究を進めるとともに、その成果を生かして法政大学の伝統を担う「進取の気象」をもつ人材を育成することによって、千数百年にわたって蓄積されてきた日本語と日本文化の豊かな遺産を世界と次世代へと受け継いでいくことを目的とする。
学位授与の方針(ディプロマポリシー)
日本文学科は、「日本の文学・言語・芸能の歴史と現状を専門的に学び」「自らの見解を自らの言葉で的確に発信できる人材を育成する」という教育目標を達成することを目指し、必要となる専門科目を配置して適切な教育課程を編成する。その課程を修了した者に学士の学位が授与されるためには、
1、日本の文学・言語・芸能の歴史と現状についての基本的な知識
2、所属する文学・言語・文芸の三コースいずれかの領域における正確な読解力
3、自ら問題を発見し、その問題について考察を深められる思考力(文学・言語コース)
自ら主題を発見し、その主題について構想を深められる想像力(文芸コース)
4、自らの研究や発想の成果を的確に伝えられる日本語の表現力
以上のような資質・能力を身につけていることが求められる。
教育課程の編成・実施方針(カリキュラムポリシー)
日本文学科の教育課程は、他学部・他学科と共通の基礎科目と専門科目によって構成され、とくに日本文学科独自の専門科目においてはその専門性を広く把握すると同時に深く追求するため、文学・言語・文芸の三コース制を採用する。
まず文学コースでは、古代から近現代までの歴史的な見通しのなかで日本文学について学び、さらに中国文学・音楽芸能史・能楽などの隣接領域も視野に入れた上で、特定の時代や特定の領域の文学を専門的に研究することを目指す。次に言語コースでは、古典語の用法から現代日本語の変容までを含む広い領域で日本語について学び、さらに方言・外国語と日本語の関係・理論言語学などの多角的な視点も理解した上で、特定の主題を通じて言語の本質を専門的に考察することを追求する。また文芸コースでは、近現代の文学を中心に過去に蓄積されて来たあらゆる作品を創作者の視点から研究し、現代という時代状況のなかで言語が生む効果を専門的に学ぶことで、言語能力を錬磨して自らが感受する生の諸相を的確に表現することを目指す。
それぞれのコースは必修科目と選択科目の組みあわせによって関連づけられ、学生は2・3年次以降いずれかのコースに籍を置いて少人数制のゼミナールに所属し、4年次にはその研鑽の成果を発揮する卒業論文(文芸コースは創作)に取り組む。なお卒業論文は、日本文学科の教育課程における集大成と位置づけられる。
学生の受け入れ方針(アドミッションポリシー)
日本文学科は、その目的に基づいた教育目標を達成するため、日本の文学・言語・芸能について関心をもち、日本文学科の専門的な教育を受ける上で充分な適性をもつ者を広く受け入れる。
その適性で重視されるのは国語の学力だが、日本文学科における文学・言語の研究や文芸創作に必要となるのは、高等学校までの教育課程で学ぶ国語を基礎としながらも知識・読解力・思考力・表現力全般にわたる、より多様でより奥深い人間的な学力である。それらの資質を的確に判断して学生を受け入れるため、学力試験のない指定校推薦入試を含めて多様な入試経路を用意する。また社会人特別入試や外国人留学生特別入試も実施し、日本文学科で学ぶのにふさわしい者に広く門戸を開放する。