小林裕子氏(大学院日本文学専攻修了、国文学会会員)より新著『佐多稲子 政治とジェンダーのはざまで』をご恵投いただきました。
発行:翰林書房
発行日:2021年6月22日
定価:4180円
頁数:367
ISBN:978-4-87737-459-4
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【目次】
佐多稲子小伝――他者という鏡
Ⅰ 詩から小説へ
詩からの出発――仮面から素面へ
小説への転身
Ⅱ プロレタリア文学の中の女たち
「女工」もの五部作――走る、泣く、揺れる「女工」たち
「煙草工女」の語りの構造――母の顔と党員の妻の顔
「別れ」――乳を搾る女
Ⅲ 戦争前夜の模索
「牡丹のある家」の位置――「くれない」につながる転換点
「樹々新緑」――目覚めと苦悩
「くれない」――政治、生活、文学の転機
Ⅳ 戦後日本の時空間
敗戦直後の評論活動――使命感とともに
「みどりの並木道」――空虚な明るさ
「夜の記憶」――二つの夜の明暗
「渓流」(一)――ある女系家族の終焉
「渓流」(二)――〈わが家〉はなぜ失われたか
「黄色い煙」と「ばあんばあん」をめぐって――時事問題の取り込み
Ⅴ 同時代の女性作家
若杉鳥子(一)――階級格差と男女格差
若杉鳥子(二)――闊達な女語りの魅力
壺井栄「廊下」――逆境の下での夫婦愛
大谷藤子「須崎屋」――母子幻想の崩壊
あとがき
初出一覧
索引