法政大学能楽研究所主催の第16回能楽セミナーが開催されます(全4回)。今回のテーマは「能を知る新しい扉」。伝統の重みのなかで、能はともすれば「幽玄」などのキーワードで一面的にとらえられがちです。そうした概念を再検証し、能の仕組みや世阿弥の言葉の多様な姿を明らかにしてゆこうとするのが今回のねらいです。能に関心のある方だけでなく、日本文化や演劇などに興味のある方にも、ぜひ参加をお勧めしたい連続講座です。なお、本年度から受講料が無料となりました。
講座の概要はつぎのとおりです。
【特別講演】日本の式三番・鬼能に当たる芸態は中国にかって存在したか
田仲一成(東京大学名誉教授)
10月24日(月)18時~20時
興福寺呪師走りの翁、黒川能、吉良川御田祭りなど、日本芸能は多彩な式三番および鬼能の芸態を保存していますが、中国大陸では、現存の仮面系芸能にも歴史記録にも、わずかな痕跡が残るだけです。かって我々の世代は、仮面は大陸からきたと考え、大陸を探し回ってきましたが、むしろ、日本の芸能の諸相から、失われた過去の大陸の芸能を復元する道を考えた方がよいように思っています。今回は、そのようなお話を申し上げたいと思っています。
◆観客にやさしい世阿弥の能―すべては言葉で説明される―
山中玲子(法政大学能楽研究所教授)
10月31日(月)18時~20時
◆「塩辛き能」の世界―儀理能・泣キ能・切合能―
伊海孝充(法政大学文学部専任講師)
11月14日(月)18時~20時
◆昔は○○も能を舞った―女と大道芸人と外国人が舞った能―
宮本圭造(法政大学能楽研究所准教授)
11月21日(月)18時~20時
※10月2日にアップした際、各回の時間を「17時30分~19時30分」と誤って表示しました。お詫びして訂正します。
会場はいずれも法政大学(市ヶ谷キャンパス)ボアソナード・タワー26階 スカイホール。事前の申し込みは不要です。当日直接会場にお越しください。また、途中回からの参加も可能です。
ただし、各回とも定員(100名)を超える場合には、ご入場をお断りする場合もございます。
詳細は法政大学能楽研究所 http://www9.i.hosei.ac.jp/~nohken/ まで。