合格者の皆さんへ

田中和生 准教授

 みなさん合格どうもおめでとう。
 法政大学文学部の日本文学科は、どうして国文学科と言わないんでしょうね。
 実はもともとは国文科と言ったそうです。その名残は、入学されたみなさんが所属することになる、国文学会という名前に残されています(これだけ変えるの忘れたんだとか)。
 ではどうして日本文学科と変えたのでしょう。
 それは1945年に日本が敗戦を迎えたときに、これからの日本はそれまでとはおなじものであってはならない、という願いを込めたからです。
 実際、敗戦後に名前を変えた日本文学科は、戦後文学を牽引していく雑誌「近代文学」の創刊同人だった小田切秀雄をはじめ、有力な文学者や研究者が拠って、敗戦後の日本における文化創造に大きな力を発揮してきました。みなさんはその輝かしい伝統に連なると同時に、新しくその伝統を生み出していく存在です。
 すでに敗戦から60年以上が過ぎましたが、そこに込められた強い願いは風化することなく、これからも日本文学科という名前とともにずっとつづいていきます。われわれ教員の日々の研究も、その伝統を少しずつ更新することを願っています。春になって新しい伝統の創造に参加されるみなさんとお会いできることを楽しみにしています。
 以下、3名の教員からも合格者のみなさんへメッセージを預かっています。どうぞご覧ください。

2012年度学科主任 田中和生

合格者の皆さんへ (教員3名からのメッセージ)

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