『物語を紡ぐ女たち 自然主義小説の生成』(中丸宣明著、翰林書房)が刊行されました

 

中丸宣明教授の著書『物語を紡ぐ女たち 自然主義小説の生成』(翰林書房)が刊行されました。

二部に分けてそれぞれで二十世紀初頭の自然主義文学として田山花袋・島崎藤村・徳田秋聲の文学が論じられていますが、各部の序章で先生のご専門である十九世紀文学との回路を開くことからはじめることによって、日本文学における自然主義文学の形成に新たな見方をしめす論考になっております。

ぜひ、お手にとってご覧ください。

以下、書誌情報と目次でございます。

   ※

【書誌情報】
発行:翰林書房
発行日:2022年2月20日
定価:3740円
頁数:336
ISBN:978-4-87737-463-1


【目次】

凡例

【第一部】

序 章 二十世紀初頭の文学的風景――ポスト立身主義時代の文学
    Ⅰ 「末流文壇」の時代
    Ⅱ 立身出世の夢
    Ⅲ 供犠の文学
    Ⅳ おぞましきものの転位
    Ⅴ 社会小説と家庭小説
    Ⅵ 〈一曲転〉の予感

第一章 花袋の初期――「蒲団」まで
    Ⅰ 故郷喪失
    Ⅱ 文学の鎧
    Ⅲ 抱きつき戦略
    Ⅳ 通俗への融解

第二章 藤村――「破戒」と「春」
    Ⅰ 立身出世主義の果て
    Ⅱ 詩から散文への隘路
    Ⅲ 物語の挫折
    Ⅳ 簒奪される物語
    Ⅴ もう一つの〈理想の春〉

第三章 秋聲の初期――「雲のゆくへ」まで
    Ⅰ 悲惨小説の臨界
    Ⅱ 弱さの位相
    Ⅲ 共同性が夢想されるとき


【第二部】

序 章 「物語」を紡ぐ女たち
    Ⅰ 囚われの男たち
    Ⅱ 「家庭小説」の時代
    Ⅲ 男女をめぐる二つの物語

第一章 花袋――「生」と「妻」
    Ⅰ 明治の「人間喜劇」
    Ⅱ 西洋文学に背を向けて
    Ⅲ 二十世紀のアダムとイブ
    Ⅳ 「新しい女」の物語へ

第二章 藤村――「家」
    Ⅰ 廃棄される物語
    Ⅱ 旧家の物語
    Ⅲ 階下の物語

第三章 秋聲――「足迹」と「黴」と「爛」
    Ⅰ 成長する語り
    Ⅱ 重奏する物語
    Ⅲ 二人称の話法
    Ⅳ 見出された「物語」
    Ⅴ 近代の説話


初出一覧

あとがき

索引 

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