「そとぼり通信」第57号が刊行されました

法政大学国文学会の機関誌「そとぼり通信」第57号が刊行されました。日文科の在学生・卒業生・教員の声を多数収載しています。在学生には授業時に配布します。また、会費納入済みの会員の方には郵送します。それ以外に送付を希望される方は法政大学国文学会事務局(03-3264-9752)までご連絡ください。

「そとぼり通信」第57号
・「大丈夫」で大丈夫 尾谷昌則
・2011年度法政大学国文学会が開催されました
・2011年度卒業生の声
・先生方の近況 笠原淳/天野紀代子/長谷川啓/安原眞琴
・加藤昌嘉ゼミ夏合宿報告 渡辺祥代

「大学での就活力」 第1回ワークショップが無事終了

  本日、16:50より835教室にて日本文学科生のための「大学での就活力」ワークショップ(第1回)が開催されました。明日から本格的な就職活動がスタートするということで、集まった3年生達の顔には少々緊張の色が伺えました。中には、不安でしょうがないと話す学生もいましたが、今日のワークショップに参加したことで、少なからず不安が解消されたようでした。
  今回は、既に就職が内定している日文科の4年生5名を迎え、就職活動の体験談をそれぞれに話してもらいました。志望企業決定のプロセス、ユニークな情報収集の方法、エントリーシートの書き方、面接の体験談など、就職活動を終えたばかりの先輩が直接語る体験談はどれも非常に生々しいもので、参加者は真剣にメモをとっていました。最後には質疑応答の時間も設けられましたが、3年生から飛び出した質問も非常に現実的なものが多く、特に印象的だったのは「TOEICなどの資格はとったか」というもの。今回来てくれた5人の4年生のほとんどが特に資格らしい資格は有しておらず、TOEICのスコアも履歴書に書かなかったとのこと。資格などなくとも、しっかりとした人間力さえあれば、ちゃんと就職できるということが浮き彫りになりました。(尾谷昌則)
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「現役教師の話を聞く会」を開催します

このたび日文で「現役教師の話を聞く会」を開催します。教師になるためには在学中にどのような準備が必要なのか、実際の教師の仕事とはどのようなものなのか、気になるところですよね。そうしたお話を現役の先生にしていただく会です。講師は法政日文出身の若手教諭ですから、フランクに色々な話をしていただけることと思います。教職を将来の選択肢にしている皆さん、ぜひ参加してください。

開催要項は以下のとおりです。

日時 2011年12月22日(木)6時限目(18:30~20:00)
場所 80年館7階会議室
講師 佼成学園中学・高等学校教諭 西田真悟先生(2003年度日本文学専攻修士課程修了)

※準備の都合上、参加希望の方は申し込みメールを下記までお願いいたします。
dkoakimt@hosei.ac.jp(小秋元)

博士後期課程研究中間報告会が開催されました

11月9日(水)13:30より、大学院日本文学専攻の博士後期課程研究中間報告会が開催されました。本年度は博士後期課程の学生5名が、この1年間の研究実績と博士論文執筆に向けての研究方針を報告しました。

近年、本専攻の博士後期課程の学生は、全国規模の学会での発表や論文投稿を積極的に行っています。そして、課程博士の学位授与数も順調に伸びています。在籍する皆さん、引き続き頑張ってください。

『楊逸が読む聊斎志異』(楊逸【著】、黒田真美子【現代語訳】)が出版されました

  2011年9月末に、『楊逸が読む聊斎志異』(楊逸【著】、黒田真美子【現代語訳】)が明治書院より発刊されました。 著者の楊逸は、「時が滲む朝」で第139回芥川賞を受賞した作家です。本書は、中国古典短編小説集の代表作の一つ「聊斎志異」にインスパイアされて楊逸が新聞誌上に連載したエッセイと、その文章中で触れられた聊斎作品の現代語訳より成っています。「聊斎志異」は妖怪・幽霊・狐・超能力者・妖精たちが活躍する一大ファンタジーであり、それだけでも十分楽しめるのですが、同時にこういった説話には当時の中国人の文化・価値観・伝統・美学などが反映されているため、日本人的な価値観との違いを見て取ることもできます。また、「聊斎志異」を原典としたものに芥川の「酒虫」や太宰の「竹青」といった作品もあるため、これらと読み比べてみるという楽しみもあります。読書の秋、ぜひ秋の夜長のお供にどうぞ。目次明治書院さんのページから閲覧することができます。

『揺れ動く「源氏物語」』(加藤昌嘉著)が出版されました

  2011年9月に『揺れ動く「源氏物語」』(加藤昌嘉著、勉誠出版)が刊行されました。「物語解釈の愉楽」、「ホンモノの『源氏物語』など、どこにもありはしない。これまでに存在し、いま存在するすべての本が『源氏物語』である」という帯のフレーズが非常に印象的な本書は、『源氏物語』のダイナミズムを文学史に再定立する意欲的な研究書です。こちらに著者へのインタビュー記事も掲載されていますので、本書と併せてご覧頂ければ幸いです。尚、各章の内容は以下の通りです。(勉誠出版さんのサイトより引用)

第Ⅰ部 本文が揺れ動けば物語も揺れ動く
150種とも200種とも数えられる『源氏物語』の現存写本は、すべて異なる相貌を呈している。『源氏物語』は、絶えまなき変異体である。あまたの写本たちは、そうした変異の種々相である。我々は、残された『源氏物語』たちを俯瞰し、それらを、揺動の軌跡として捉えなければならない。

第Ⅱ部 写本を演奏するのは我々である
或る時期に書き写され、今日まで読み継がれ、儼として眼前にある一写本を、一研究者が己の読解力とリズムで活字化して見せること。・・・・・・世に供される古典の整定本文とは、そういうものであると思うのである。例えば、句読点や鉤括弧は、のっぺらぼうの写本を読むためのtoolであり、instrumentである。

第Ⅲ部 どこからどこまでが『源氏物語』なのか
現存『源氏物語』五四帖がすべて一人の作者によって書かれたという証拠は、どこにもない。たとえ作者が異なっていようとも、作中人物の連繋・物語内容の連繋があれば、一つの物語に集合化し得る、というのが、平安時代物語の本性である。極言すれば、『源氏物語』は永久に完成に至らず、今なお生成をつづけている、ということである。

本年度も「大学での就活力」を実施します(11/30)

2011年度第1回「大学での就活力」ご案内

今年は12月本格開始となった就職活動も目前に迫ってきました。意気込んでいる人、着々と準備を進めている人もいるかとは思いますが、戸惑っている人、懐疑的な人、教職や公務員との両立に悩んでいる人等々、さまざまな悩みや戸惑いを抱えている人も少なくないでしょう。
そんな悩みに日文の先輩たちはどうしたか、今回はとくにどのように就職先を見つけたのか、その情報収集と研究法を中心に語ってもらう予定です。
就職情報は何もリクナビ・毎ナビでしか手に入らないわけではないのです。皆さんが知っている企業に入ることだけが就職ではないのです。内定を勝ち取った先輩たちから「生きる力」(!?)を分けてもらいましょう!

           記

日時 11月30日(水)5,6限(16:50~20:00)
会場 【前半】835→【後半】58年館2F 教職員食堂
内容 【前半】内定をもらった4年生5名によるパネルディスカッション
     【後半】4年生を囲んで、就活壮行会(なんと飲食付です!)
                           

大学院進学相談会が開催されます(11/12)

11月12日(土)13:00より法政大学大学院進学相談会が、外濠校舎6階の薩埵ホールで開催されます。研究科・専攻ごとに個別相談コーナーが設けられ、各専攻の教育内容や試験対策などについて自由に質問することができます。ちなみに日本文学専攻のコーナーの担当は間宮厚司教授です。法政大学の学生だけでなく、他大学の方も気軽にご来場ください。

詳細は大学院のページをご参照ください。

地方スクーリングin秋田の報告

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  日本文学科の尾谷です。10月28日(金)から30日(日)にかけて、通信教育部の地方スクーリングが秋田で行われ、私は「総合特講」という講義を担当して参りました。「〈ことばの乱れ〉について考える」というテーマで、1日4講、3日間で合計12講義を実施したのですが、偏見は極力排除し、一見すると〈乱れ〉だと思われるような事例でもなるべく言語変化として冷静に受け止め、そういった変化(もしくは誤用)が起こる要因やプロセスについて、論理的かつ言語学的に考えることに主眼を置きました。特に、主観化、脱文脈化、文法化、再分析、比喩(メタファー)、換喩(メトニミー)、混淆、類推違い、ポライトネス理論といった観点から新規表現を分析し、様々な表現が変化したり新しく生まれたりするのには一定の要因があるということを学びました。
  受講生の年齢層が20代~60代までと幅広かったこともあり、新規表現に対する容認度の違いが浮き彫りになる場面も度々ありました。受講生の皆さんにとっては、そういった世代間の違いを目の当たりにすることも、言語変化が気づかないところで静かに起こっていることを実感する良い機会になったようです。「総合特講」は日文科の専門科目ではないため、受講生の8割は他学部生でしたが、我々の母語である日本語がテーマということもあり、学部の垣根を越えて教室全体が一つになって真剣に考えているという雰囲気がとても印象的でした。
(報告者:尾谷昌則)

『本阿弥行状記』 (日暮聖ほか訳注)が発刊されました

  『本阿弥行状記』 (日暮聖、加藤良輔、山口恭子 訳注)が平凡社より2011年7月に発刊されました。日暮聖元教授と日本文学科出身の若手研究者2名による訳注が付されています。

内容(「BOOK」データベースより)
日本有数の芸術家本阿弥光悦を中心に、その一族の言行をまとめた唯一の記録。光悦は家業の刀剣鑑定の他、書、出版、作陶、漆芸など多方面に才能を発揮。丹念な現代語訳と語釈を付す。