7/25(土)に2015年度法政大学国文学会が開催されました。
当日は猛暑日の暑さにみまわれましたが、会員の皆さまを始め、今年度も多くのご出席の方々をお迎えすることができました。
大会の冒頭、勝又浩先生より会長就任の挨拶と開会の挨拶がなされ、続いて今年3月に亡くなられた笠原淳先生、そして7月に亡くなられた杉本圭三郎先生に対して1分間の黙とうが捧げられました。
最初の研究発表は、博士後期課程1年生の木村信太郎さんによる「和泉流〈禁野〉と〈牛盗人〉の成立―語リを基に構想された狂言―」が行われ、和泉流狂言「禁野」と「牛盗人」が、「語リ」を基に構想されたことを跡付けし、その理由を考察する発表がなされました。
次に、博士後期課程2年生の池沢充弘さんによる「大江健三郎における一人称の「聴き手」の機能とその解体―『みずから我が涙をぬぐいたまう日』と『水死』を中心に―」の発表が行われ、私小説的な大江作品における「語り手」の機能とその変容についての分析がなされました。
奇しくも、研究発表者二人とも「語り」をテーマとした内容で発表が行われ、質疑応答では活発な意見交換が行われました。
続く講演は、中丸宣明教授による「法政の忘れられた?!文学者たち―法政作家群像の内」が行われ、清水康夫、野沢一、山内一史、羽中田誠といった、中丸先生の言葉を拝借すれば〈マニアック〉な法政大学出身の作家たちが取り挙げ、彼らの業績や法政大学に在学していた当時の社会背景や大学内の雰囲気等が紹介され、大先輩たちがそれぞれどのような道を歩んだのかをお話しいただきました。
総会後には懇親会が催され、会員の方々をはじめ、教員や院生、退職された先生もお集まりいただきました。途中、杉本先生の思い出話があったり、司会の小秋元先生から突如ふられるスピーチに冷や汗をかいた院生もいたり、と賑やかに会は進行し、盛会のうちに終了しました。
日本文学科共同研究室助手 鈴木華織(2013年度修士課程修了)