スペッキオ・アンナ(編集) 『村田沙耶香(現代女性作家読本21)』が、5月24日に鼎書房から刊行されました。
同書には、藤村耕治先生(日本文学科教授)および本学卒業生の矢澤美佐紀さん(法政大学講師)、柳井貴士さん(愛知淑徳大学教員)が寄稿されています。
ぜひ、お手にとってご覧ください。
以下、書誌情報と出版社サイトからの内容の転載、目次でございます。
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【書誌情報】
発行:鼎書房
発行日:2024年5月24日
定価:2,200円
頁数:170ページ
ISBN: 978-4-907282-98-1
【内容】
2005年より刊行を開始した「現代女性作家読本」は、第1期10巻、第2期10巻、別巻の二つを加え、合計22巻。2024年より第3期をスタート。第一巻目は村田沙耶香を取り上げる。
近年、日本国外でも高い評価を受け、現代日本文学をリードする存在とも言える村田沙耶香。
1970年代末に生まれ、幼少より執筆を開始。第155回芥川賞を受賞。人間の内面に隠された闇や、既存の価値観をゆさぶるような村田沙耶香の作品は、普通や常識とは何か、性とは何かを読者に訴え考えさせる。
村田沙耶香から始まる第3期。若手の研究者を含めた幅広い執筆陣による柔軟で刺激的な論稿は、シリーズで取り上げる女性作家だけにとどまらず、現代文学研究全体への新たな地平を切り拓いていく。
【目次】
はじめに
村田沙耶香の文学世界―水槽の中のユートピア― スペッキオ・アンナ
『授乳』―〈私〉の世界のはじまり― 永井里佳
『マウス』―教室内カーストと役割の魔力― 松下優一
「ギンイロノウタ」―ギンイロのステッキが向く先は― 栗山雄佑
「星が吸う水」―性的マジョリティを下支えするマイノリティ― 片岡美有季
『ハコブネ』―女性たちの〈性〉の模索、「箱舟」に乗ることの意味― 押山美知子
『ハコブネ』―洪水後を生きる― 西井弥生子
『ハコブネ』―「自分史」のようなもの― 大山英樹
『タダイマトビラ』―虐待の先にあるトビラ― ダルミ・カタリン
『しろいろの街の、その骨の体温の』―言葉で、傷を奏でる― 錦咲やか
「殺人出産」―得得と「気付く」救いの危うさ― 金 昇渊
『殺人出産』―ユートピア/ディストピアを超えて― 矢澤美佐紀
「清潔な結婚」―性役割のない家族に向けて― モーロ・ダニエラ
『消滅世界』における村田沙耶香の抗争―呪われる人々のために― 侯 冬梅
『コンビニ人間』―ポストヒューマン的読みの可能性― クリーマン・フェイ
『コンビニ人間』―存在変容の可能性としての物語― 藤村耕治
『コンビニ人間』―「常識」・「正常性」と闘う世界文学的作品― 前みちこ
『地球星人』―魔法少女から宇宙人への変態をめぐって― 遠藤郁子
『私が食べた本』―食べ続けていくという覚悟― 八上祐子
『生命式』―食、性、儀式を通して浮かび上がる「世界」の境界― 神村和美
「生命式」―回収されるクィアな欲望― 榊 裕希
「生命式」―正常と狂気の越境― 櫻庭太一
「変かわりみ半身」―不真面目な人間たちと真面目な家畜― 泉谷 瞬
『きれいなシワの作り方 淑女の思春期病』―ジェンダー規範に抗うつつましくしとやかな女性― レティツィア・グアリーニ
「変半身 かわりみ」をめぐって― 〈ニンゲン〉の終わり― スペッキオ・アンナ
「満潮」―自分のものを探り当てる― スペッキオ・アンナ
「丸の内魔法少女ミラクリーナ」―魔法少女として生き続けるということ― 上戸理恵
「信仰」―「現実」という幻想 ―市川紘美
「信仰」―「現実」という名の「幻覚」とともに生きる世界― 山田昭子
「信仰」―「信仰」の言葉による「リベンジ」は可能か― 但馬みほ
村田沙耶香 年譜― スペッキオ・アンナ
村田沙耶香 主要参考文献― スペッキオ・アンナ
『コンビニ人間』から「無」へ―「正常」と「異常」が交錯する世界の不/可能性をめぐって― 柳井貴士
村田沙耶香 年譜― スペッキオ・アンナ
村田沙耶香 主要参考文献― スペッキオ・アンナ