『落語がつくる〈江戸東京〉』好評刊行中です

江戸東京研究センターの研究プロジェクトの成果集です。京都やヨーロッパの都市など古い建造物をはじめ、歴史が目に見えるかたちで残る都市とは異なって、度重なる震災、戦災に見舞われてきた江戸東京にとって、そのアイデンティティを支えるのはその土地をめぐる伝承、物語、慣習など無形の遺産でした。本書は落語をその1つとして捉え、下町の庶民の世界で展開する落語のなかで描かれる「江戸」が、地域的にも長屋という生活空間のありようにおいても、人びとの想像のなかで典型としての「江戸」像を作りだしていることを多角的に浮かびあがらせました。日本文学科からは中丸宣明・小林ふみ子が寄稿しています。

(小林ふみ子 法政大学教授)

田中優子先生(法政大学名誉教授)が編者をつとめた『落語がつくる〈江戸東京〉』が岩波書店

より好評刊行中です。同書には、日本文学科教授の中丸宣明先生・小林ふみ子先生が寄稿されています。

お手に取って、ぜひご覧ください。
以下、書誌情報と目次は出版社サイトからの転載でございます。


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【書誌情報】


刊行日 2023年09月14日
ISBN 9784000255080
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 並製 ・ 246頁
定価 2,750円


【目次】


 はじめに………田中優子

Ⅰ 都市の物語としての落語
 1 江戸東京の物語としての落語………小林ふみ子
 2 落語――文化人類学の視点から………山本真鳥

Ⅱ 落語がつくる地理感覚
 3 動く江戸東京落語――「黄金餅」から出発して………川添 裕
 4 「文七元結」と江戸・東京………佐藤至子
 5 はるかなる「落語国」をさがして――落語のフィールドワーク………田中 敦

Ⅲ 長屋噺をめぐるフィクションとリアリティ
 6 「長屋」という思想………田中優子
 7 「怪談牡丹燈籠」の長屋………横山泰子
 8 「お節徳三郎」論――熊さん八つぁんたちのフェミニズム………中丸宣明

Ⅳ 長屋の比較文化論
 9 都市空間のなかの長屋――江戸東京とヴェネツィア………陣内秀信
 10 上海の長屋と滑稽戯………高村雅彦
 11 現代の長屋ぐらし事情………栗生はるか

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