博士後期課程研究中間報告のお知らせ

日本文学専攻 博士後期課程研究中間報告会を、下記のとおり実施します。
博士後期課程在籍者が、研究の中間報告を行う場です。
修士課程の院生諸君も、万障繰り合わせて参加し、質疑応答に加わって下さい。

日時:2014年 12月10日(水) 午後3時10分~6時50分

場所:新見附校舎(しんみつけこうしゃ) A305教室
↑大学院棟の右の建物の3階です。

 

▼日本文学専攻 博士後期課程在籍者への連絡▼

■発表者は以下の要領で準備をして下さい。
◎発表時間は、10分です。
◎(A)論文・学会発表等の成果、(B)具体的な研究内容、(C)今後の研究方針を、要領よくまとめて発表して下さい。
◎質疑応答時間は、10分です。
◎発表プリントを準備して下さい。A3、1枚分とします(裏面使用不可)。
◎発表プリントは、12月2日(火)夜8時までに、80年館8階「日本文学科共同研究室」に提出してください。

■休学中の学生、および、博士論文提出者は、発表の義務はありません。

 

問い合せ先:日本文学専攻主任加藤昌嘉 olimpiade.k6(アットマーク)gmail.com

『沖縄古語の深層 オモロ語の探究 [増補版]』(間宮厚司著、森話社出版)が刊行されました


 『沖縄古語の深層 オモロ語の探究 [増補版] 』は、2008年刊行された『沖縄古語の深層 おもろ語の探究』に、「ヂャウ(門)の語源」「ウリズンの語源」「自称名詞ア・ワ(我)」「助詞ハの表記・発音」の4つの新説を加えた間宮先生の御著書です。
 本書は三部から成り立っています。本土の大和言葉と比較しながらグスク・テダ・オモロなど沖縄固有の言葉の由来を紐解く第一章「沖縄古語の語源」。古典ではおなじみ係り結びの法則が実は『おもろさうし』にも存在し、その実態について考察を深め、また助詞を中心に『おもろさうし』における表記の本質を解明する第二章「オモロ語の文法と表記」。そして語源や文法について新たな視点を唱えた第三章「増補――語源・文法・表記」。
 ところで、皆さんは『おもろさうし』をご存知でしたか? 恥ずかしながら私は間宮先生の講義を受けるまでその存在を知りませんでした。御著書の中にも、関西方言の「おもろい」から「面白草子」と想像したり、『おもろさうし』関係の本を購入した際に領収書に『おもしろさうし』と「し」が余計に書かれたりしたエピソードが紹介されています。沖縄イコール『おもろさうし』というほど、知名度が高いとは言えません。
 そんな『おもろさうし』について何の予備知識がない人にもこの本はお勧めです。特に、沖縄と遠く隔たっている本土の古語(『古事記』や『日本書紀』・『万葉集』など)と沖縄の古語を比較し、語源や文法の謎に追究していく姿は、まるでミステリー小説を読んでいるかのような驚きと興奮を覚えます。「本当に沖縄と大和の言葉を比較する意義があるのか?」、「『おもろさうし』と本土の古典の共通点とは一体なんなのか?」、「そもそも『おもろさうし』ってなんだ?」。以上の疑問が浮かんだ方は是非ご一読下さい。
 また、内容以外に間宮先生の論文の展開法も見所の一つです。とりわけ、言語を基に論文を作成しようとしている人にとっては、まさに教科書のような存在であると私は確信しています。

立石 顕規 (2012年度修士課程修了 高校教員)

映画『海を感じる時』が公開になりました

 中沢けい教授原作の映画『海を感じる時』が9/13(土)より公開になりました。
 中沢先生の原作小説の映画化は、昨年公開された『楽隊のうさぎ』に続く2作品目となります。

 原作小説『海を感じる時』は、1978年当時18歳の女子高生だった中沢先生が第21回群像新人賞を受賞をし、賞の選者だった吉行淳之介が「文学上の事件」と評した、衝撃的なデビュー作品です。
 発表から約35年の時を経て初めて映像化が実現しましたが、原作が持つ鮮やかさは色あせることなくスクリーンに映し出されています。

 劇場等の詳細は、映画『海を感じる時』のオフィシャルホームページをご参照ください。

映画「楽隊のうさぎ」がCDとDVDになって発売されました

  

 中沢けい教授原作の映画「楽隊のうさぎ」がCDとDVDになりました。

 CDは中沢先生の企画・プロデュースによるもので、小説内もしくは映画内で使用される楽曲と映画のサウンドトラックで構成され、中沢先生の書き下ろし長文ライナーノーツと共に映画のオリジナル曲である「序曲《Flowering TREE》」の楽譜エクストラデータが収録されています。
 また、DVDには映画本編の他に、映画の予告編や秘蔵のメイキング映像、未公開だった練習風景などが盛りだくさん収録されています。

 映画や小説で作品に親しんだ人も、そうでない人も、発売されたCDとDVDで「楽隊のうさぎ」の世界に浸ってみてはどうでしょうか。

 中沢先生ご自身によるCDへのビデオメッセージです

西野春雄名誉教授出演のラジオ番組が放送されます

西野春雄名誉教授が、NHKラジオ第二放送 『わたしの日本語辞典』に出演します。「能をささえる言葉」と題して、全5回放送されます。放送時間は下記のとおりですので、関心のある方はぜひお聴きください。

8月の毎週土曜  午後9時~9時30分
再放送:翌週土曜 午後3時10分~3時40分

(この番組は、5月に放送されたものの再放送です)

修士論文中間報告会が終了

 昨日13時より、大学院棟202教室にて大学院日本文学専攻の「修士論文中間報告会」を実施しました。修士課程2年生(計17名)が日頃の研究成果を報告し、指導教授陣はもとより博士課程の大学院生、修士1年生、研究生なども参加して、活発な質疑応答が行われました。
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20140730_mono posted by (C)法政日文

『吉本隆明』(田中和生著)が刊行されました


 本書は、二〇一二年に亡くなられた、戦後日本を代表する文学者のひとりである吉本隆明氏の最初期の詩から一九九八年の『アフリカ的段階について』までの文業を批評した書物です。
 その内容について少しく述べるならば、序論では「エリアンの手記と詩」、『固有時との対話』、『転位のための十篇』といった詩作を取りあげ、吉本隆明氏の文学的出発点を考察しています。本論Ⅰでは「マチウ書試論」、『高村光太郎』から吉本隆明氏の批評における主眼となる考えを提示し、本論Ⅱではそれをうけ、その思考の理論的な確立をこころみた著作として『言語にとって美とはなにか』、『共同幻想論』、『心的現象論序説』を論じることによって、吉本隆明氏の「思想」の深化をあきらかにしています。そして、本論Ⅲでは『空虚としての主題』、『マス・イメージ論』、『ハイ・イメージ論』といった著作をとおし、時代にたいしてするどい意識をむけながら同伴者でありつづけた吉本隆明氏のすがたを書きながら、その最後の理論的な著作としての『アフリカ的段階について』の読解と、そこからの展望が述べられています。
 さて、それでは本書が吉本隆明氏の文学世界を手軽に一望、理解することができる手引書のようなものであるかというと、それはイエスでありノーでもあります。
 たしかに、本書をひもとくことによって、吉本隆明氏の文業を概観することはできますし、それを起点にして、吉本隆明氏の文学世界に踏みこんでいくかたもおられるでしょう。しかし、そこで提示されているのは、あくまでも田中和生先生の読みであることは留意せねばなりません。
 本書を一読し気づくのは、本書では徹頭徹尾、あまたあるはずの先行研究によらず、ある文章を徹底的に自分自身で読みこみ、自身の内面において考えぬくことで、その文学世界を理解しようとする態度です。
 それは、本書の「後記――結論」で、田中和生先生ご自身が「現在までのところ文芸評論家としてもっとも影響を受けているのは、おそらく吉本隆明からである」と述べ、吉本隆明氏の流儀が「自分が打ち込んで読んだ文学者については「一冊の本を書かなければ収まりがつかない」「本格的な返礼という意味で、書かなきゃいけない」という流儀」であり、「吉本さんの流儀で、吉本隆明の文学について論じたことになる」とし、「自分が打ち込んで読んだ文学者についての「本格的な返礼」としての「一冊の本」は、あらかじめ結論が決まっている。それはその文学者の文章を、わたしたちは読みつづけるべきである。」としていることからもあきらかです。
 ある対象とした文学者にたいして、理論や他人の言説の引用でのみ理解しようとするのでなく、その書物をくりかえし読みつづけ、自分自身の思考と言葉で向きあいつづけ、その文学的世界の拡大を目指しつづけること。
 そのような、文学批評におけるもっとも根源的ともいえるすがたをこの書物は提示しています。
    (修士課程二年、藤村ゼミ、関口雄士)

「修士論文中間報告会」を開催します

大学院、日本文学専攻の「修士論文中間報告会」を、下記のとおり実施します。 修士課程2年生全員が、研究の中間報告を行う場です。

院生諸君は、万障繰り合わせて参加し、質疑応答に加わって下さい。発表プリントは、専攻室に置いてあります。

 

日時 2014年 7月30日(水) 午後1:00~6:00

場所   大学院棟202教室

発表順 カッコ内は指導教員名
【 当日、順番が変わる可能性があります。】

1:00   趣旨説明
1:10-1:25 A関口( 藤村 )
1:25-1:40 B木村( 伊海 )
1:40-1:55 C谷( 宮本 )
1:55-2:10 D藤川( 坂本 )
2:10-2:25 E村上( 田中 )
2:25-2:40 F張( 田中 )
★休憩20分
3:00-3:15 G藤井( 田中 )
3:15-3:30 H須永( 尾谷 )
3:30-3:45 I穀田( 中丸 )
3:45-4:00 J古谷( 中丸 )
4:00-4:15 K多羅( 中沢 )
★休憩15分
4:30-4:45 L加藤( 中沢 )
4:45-5:00 M小畑( 中沢 )
5:00-5:15 N鎌田( 中沢 )
5:15-5:30 O吉岡( 中沢 )
5:30-5:45 P政成( 中沢 )
5:45-6:00 Q大木( 中沢 )
****************

▼修士課程2年生への連絡▼
◎発表時間は、5分です。研究内容を要領よくまとめて下さい。
◎質疑応答時間は、10分です。

問い合わせ先:日本文学専攻主任 加藤昌嘉

『日本文學誌要』(90号)が刊行されました

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『日本文學誌要』(90号)が刊行されました。目次は以下の通りです。


〈論文〉
『万葉集』の「入潮為」考(間宮厚司)

〈研究ノート〉
揺らぎ響(とよ)む大地 ―上代日本の共感覚―(坂本勝)


〈卒業論文〉
詩と政治―白居易「諷諭詩」への新視角―(伊藤謙太郎)
恭仁京と催馬楽 ―《沢田川》と《安名尊》グループの成立と解釈―(杉田真菜美)
『浮世風呂』論―怒りに見る男女の人物造形の違い―(寺山茉祐)
『狂歌若葉集』論(川上美樹)

〈新刊紹介〉
秋山駿・勝又浩 監修 私小説研究会 編 『私小説ハンドブック』

〈修論・博論題目一覧〉
〈卒論題目一覧〉
〈通教卒論題目一覧〉
〈会則・投稿要項〉
〈編集後記〉