「現役教師の話を聞く会」を開催しました

12月22日(木)、「現役教師の話を聞く会」が開催されました。佼成学園中学・高等学校教諭の西田真悟先生(2003年度日本文学専攻修士課程修了)を講師に迎え、教師の日常、教師になるためのキャリア形成の方法、国語教師としてのやりがいなどを具体的に語っていただきました。特に、教育とは未来を作る仕事だととらえ、日々の仕事のなかで人を育てていることに手ごたえを感じているという西田先生の言葉は印象的でした。質疑応答も活発に行われ、将来、教職に就くことを考えている学生、大学院生には貴重な機会となりました。

日本文学科、大学院日本文学専攻では、本年度より教職をめざす学生のための支援事業をはじめました。本年度は5、6月に「教員採用試験対策特別講座」(講師:前草加南高等学校校長、伊古田陽子先生)、8月に「私学教員適性検査事前学習会」を行っています。今後も様々な企画で教員志望の学生の支援を行ってゆきたいと考えています。(報告者:小秋元段)

詳細なレジュメをもとに話される西田先生

記念撮影

エクステンションカレッジ「大人のための古典文学」が無事終了しました

2011年度の法政大学エクステンションカレッジ「大人のための古典文学」が、12月10日(土)に無事終了しました。最終回の講師は伊海孝充日本文学科専任講師です。

「水を司る龍―能〈河水〉―」というテーマで、自分の皇子を龍女の夫として差し出した天竺の皇帝が、龍女の加護によって危難を逃れ、国の平安を得るという能〈河水〉がとりあげられました。ビデオを交え、軽妙なトークに時を忘れる講座でしたが、この曲には自然を畏敬することにより自然に守られる、人間本来のあり方が描かれているとする締めくくりの言葉には、受講者の皆さんも深く納得しているご様子でした。東日本大震災復興のためのチャリティ講座としての最終回にふさわしい講座だったといえるでしょう。

また、今回は講座終了後、受講者の皆さんと講師による茶話会が催されました。普段の講座ではうかがえない、皆さんの文学に対する熱い思いをお聞きすることができ、大変有意義なひとときでした。宮城県より毎回参加された受講者の方からはお手製の干し柿がふるまわれ、おいしくいただきました。  (報告者:小秋元段)

最終回の担当は伊海孝充日本文学科専任講師

博士論文の口頭試問を実施します

このたび大学院日本文学専攻では、博士論文の口頭試問2件を下記のとおり実施します。公開制で行いますので、関心のある方は自由に参加してください。

申請者 川鍋義一氏
論文名 「吉本隆明初期詩編論-我と我々と『固有時との対話』『転位のための十篇』について-」
日時 2012年12月22日(木)13:30より
会場 80年館7階会議室(丸)
主査 堀江拓充 教授
副査 田中和生 准教授、阿毛久芳 都留文科大学教授

博士論文の口頭試問を実施します

このたび大学院日本文学専攻では、博士論文の口頭試問2件を下記のとおり実施します。公開制で行いますので、関心のある方は自由に参加してください。


申請者 沼田真里氏
論文名 「正岡子規の死生観と〈美〉と文学観」
日 時 12月14日(水)14時より
会 場 80年館7階会議室(丸)
主 査 堀江拓充教授
副 査 中沢けい教授、勝又浩法政大学名誉教授


申請者 原槇子氏
論文名 「斎王物語の形成―斎宮・斎院と文学―」
日 時 2012年1月21日(土)15時より
会 場 80年館7階会議室(丸)
主 査 加藤昌嘉准教授
副 査 坂本勝教授、倉田実大妻女子大学教授

「そとぼり通信」第57号が刊行されました

法政大学国文学会の機関誌「そとぼり通信」第57号が刊行されました。日文科の在学生・卒業生・教員の声を多数収載しています。在学生には授業時に配布します。また、会費納入済みの会員の方には郵送します。それ以外に送付を希望される方は法政大学国文学会事務局(03-3264-9752)までご連絡ください。

「そとぼり通信」第57号
・「大丈夫」で大丈夫 尾谷昌則
・2011年度法政大学国文学会が開催されました
・2011年度卒業生の声
・先生方の近況 笠原淳/天野紀代子/長谷川啓/安原眞琴
・加藤昌嘉ゼミ夏合宿報告 渡辺祥代

「大学での就活力」 第1回ワークショップが無事終了

  本日、16:50より835教室にて日本文学科生のための「大学での就活力」ワークショップ(第1回)が開催されました。明日から本格的な就職活動がスタートするということで、集まった3年生達の顔には少々緊張の色が伺えました。中には、不安でしょうがないと話す学生もいましたが、今日のワークショップに参加したことで、少なからず不安が解消されたようでした。
  今回は、既に就職が内定している日文科の4年生5名を迎え、就職活動の体験談をそれぞれに話してもらいました。志望企業決定のプロセス、ユニークな情報収集の方法、エントリーシートの書き方、面接の体験談など、就職活動を終えたばかりの先輩が直接語る体験談はどれも非常に生々しいもので、参加者は真剣にメモをとっていました。最後には質疑応答の時間も設けられましたが、3年生から飛び出した質問も非常に現実的なものが多く、特に印象的だったのは「TOEICなどの資格はとったか」というもの。今回来てくれた5人の4年生のほとんどが特に資格らしい資格は有しておらず、TOEICのスコアも履歴書に書かなかったとのこと。資格などなくとも、しっかりとした人間力さえあれば、ちゃんと就職できるということが浮き彫りになりました。(尾谷昌則)
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「現役教師の話を聞く会」を開催します

このたび日文で「現役教師の話を聞く会」を開催します。教師になるためには在学中にどのような準備が必要なのか、実際の教師の仕事とはどのようなものなのか、気になるところですよね。そうしたお話を現役の先生にしていただく会です。講師は法政日文出身の若手教諭ですから、フランクに色々な話をしていただけることと思います。教職を将来の選択肢にしている皆さん、ぜひ参加してください。

開催要項は以下のとおりです。

日時 2011年12月22日(木)6時限目(18:30~20:00)
場所 80年館7階会議室
講師 佼成学園中学・高等学校教諭 西田真悟先生(2003年度日本文学専攻修士課程修了)

※準備の都合上、参加希望の方は申し込みメールを下記までお願いいたします。
dkoakimt@hosei.ac.jp(小秋元)

博士後期課程研究中間報告会が開催されました

11月9日(水)13:30より、大学院日本文学専攻の博士後期課程研究中間報告会が開催されました。本年度は博士後期課程の学生5名が、この1年間の研究実績と博士論文執筆に向けての研究方針を報告しました。

近年、本専攻の博士後期課程の学生は、全国規模の学会での発表や論文投稿を積極的に行っています。そして、課程博士の学位授与数も順調に伸びています。在籍する皆さん、引き続き頑張ってください。

『楊逸が読む聊斎志異』(楊逸【著】、黒田真美子【現代語訳】)が出版されました

  2011年9月末に、『楊逸が読む聊斎志異』(楊逸【著】、黒田真美子【現代語訳】)が明治書院より発刊されました。 著者の楊逸は、「時が滲む朝」で第139回芥川賞を受賞した作家です。本書は、中国古典短編小説集の代表作の一つ「聊斎志異」にインスパイアされて楊逸が新聞誌上に連載したエッセイと、その文章中で触れられた聊斎作品の現代語訳より成っています。「聊斎志異」は妖怪・幽霊・狐・超能力者・妖精たちが活躍する一大ファンタジーであり、それだけでも十分楽しめるのですが、同時にこういった説話には当時の中国人の文化・価値観・伝統・美学などが反映されているため、日本人的な価値観との違いを見て取ることもできます。また、「聊斎志異」を原典としたものに芥川の「酒虫」や太宰の「竹青」といった作品もあるため、これらと読み比べてみるという楽しみもあります。読書の秋、ぜひ秋の夜長のお供にどうぞ。目次明治書院さんのページから閲覧することができます。

『揺れ動く「源氏物語」』(加藤昌嘉著)が出版されました

  2011年9月に『揺れ動く「源氏物語」』(加藤昌嘉著、勉誠出版)が刊行されました。「物語解釈の愉楽」、「ホンモノの『源氏物語』など、どこにもありはしない。これまでに存在し、いま存在するすべての本が『源氏物語』である」という帯のフレーズが非常に印象的な本書は、『源氏物語』のダイナミズムを文学史に再定立する意欲的な研究書です。こちらに著者へのインタビュー記事も掲載されていますので、本書と併せてご覧頂ければ幸いです。尚、各章の内容は以下の通りです。(勉誠出版さんのサイトより引用)

第Ⅰ部 本文が揺れ動けば物語も揺れ動く
150種とも200種とも数えられる『源氏物語』の現存写本は、すべて異なる相貌を呈している。『源氏物語』は、絶えまなき変異体である。あまたの写本たちは、そうした変異の種々相である。我々は、残された『源氏物語』たちを俯瞰し、それらを、揺動の軌跡として捉えなければならない。

第Ⅱ部 写本を演奏するのは我々である
或る時期に書き写され、今日まで読み継がれ、儼として眼前にある一写本を、一研究者が己の読解力とリズムで活字化して見せること。・・・・・・世に供される古典の整定本文とは、そういうものであると思うのである。例えば、句読点や鉤括弧は、のっぺらぼうの写本を読むためのtoolであり、instrumentである。

第Ⅲ部 どこからどこまでが『源氏物語』なのか
現存『源氏物語』五四帖がすべて一人の作者によって書かれたという証拠は、どこにもない。たとえ作者が異なっていようとも、作中人物の連繋・物語内容の連繋があれば、一つの物語に集合化し得る、というのが、平安時代物語の本性である。極言すれば、『源氏物語』は永久に完成に至らず、今なお生成をつづけている、ということである。