修士論文中間報告会のお知らせ

日本文学専攻 修士論文中間報告会を、下記のとおり実施します。
修士課程2年生全員が、研究の中間報告を行う場です。
その他の学生も、万障繰り合わせて参加し、質疑応答に加わって下さい。

日時  2013年 7月24日(水) 1時30分~6時20分
場所  大学院棟202教室  
     

▼修士課程2年生への連絡▼

■本年度修士論文を提出する予定であるか否かにかかわらず、修士課程2年生は、必ず、修士論文(もしくは研究副論文)の中間報告を行って下さい。
【事情があってどうしても発表できないという場合は、指導教員もしくは専攻主任と相談して下さい。】

 ■発表者は以下の要領で準備をして下さい。
◎発表時間は、5分です。研究内容を要領よくまとめて下さい。
◎質疑応答時間は、5分です。
◎発表プリントを準備して下さい。A3、1枚分とします(裏面使用不可)。
◎発表プリントは、7月17日(水)夜8時までに、80年館8階「日本文学科共同研究室」に提出してください。

 (注)発表の直前にプリントを差し替えるような行為は、認めません。

長野桃子さんの作品が『文學界』(2013年5月号)に掲載されました

『文學界』2013年5月号)  長野桃子さんの小説「僕の足元にはうさぎがいる」が、2013年上半期同人雑誌優秀作に選ばれ、『文學界』(2013年5月号)に掲載されました。
  長野さんは日本文学科の201年度卒業生(田中ゼミ出身)であり、現在は専門学校職員として勤務なさっています。日本文学科の文芸コース所属生は卒業制作として創作作品を執筆することになっており、中でも特に優秀と認められたものは『法政文芸』に掲載されることになっています。今回『文学界』掲載された「僕の足元にはうさぎがいる」もその卒業制作として執筆され、『法政文芸』(第8号)に掲載されています。手元にあるという学生は、ぜひ第8号を読んでみて下さい。もしくは、ぜひ『文学界』(5月号)をご覧下さい。皆さんの先輩が執筆した作品が、西村賢太さんや藤沢周さんといった蒼々たるプロの作家と同じ雑紙に掲載されているのですから。(実は、第 119 回芥川賞を受賞した藤沢周さんも日本文学科の卒業生です。)

『日本文學誌要』(第87号)が刊行されました

『日本文學誌要』(第87号)が刊行されました。目次は以下の通りです。

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〈講演〉
ますます丁寧化する日本語 -デス・マスを中心に- (尾谷昌則)

〈論文〉
流転する髑髏、不変の自意識 -澁澤龍彦「三つの髑髏」における自己の変貌について- (細沼祐介)
琉歌の季節語(春夏秋冬)をめぐって -オモロや和歌との表現比較- (ヤナ・ウルバノヴァー)

〈資料紹介〉
文学科の古典籍(11) (加藤昌嘉・岡崎孝輝)

〈卒業論文〉
「後人注」とは何か -『伊勢物語』本文の生成- (藤井輝)

〈随想〉
文学について教壇で話すことについて (中丸宣明)
ポルトガルに無言歌は流れた -関合正明と檀一雄 (田中益三)

〈書評〉
園明美 著『源氏物語の理路 -呼称と史的背景を糸口として-』(胡潔)
小林裕子 著『女性作家評伝シリーズ12 壺井栄』 (赤在翔子)
勝又浩 著『「鐘の鳴る丘」世代とアメリカ 廃墟・占領・戦後文学』 (伊藤博)
大和田茂 著『社会運動と文芸雑誌-『種蒔く人』時代のメディア戦略』(鈴木華織)
ニノ宮一雄 著『水行』 (越智友亮)

〈新刊紹介〉
中島義彦 著『『源氏大和詞』(源偶篇)と『源氏目録』付『源氏大和詞絵巻』(仮称)調査研究と影印』
中島義彦 著『倉野本『源氏御談義(千鳥抄)一影印と解題』
鈴木斌 著『老人文学 -戦争・政治・性をめぐって』

〈彙報〉
〈投稿要領〉
〈法政大学国文学会会則〉

〈追悼〉
外間守善名誉教授追悼 (間宮厚司)

文学部の卒業式も無事終了

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  遅ればせながら、文学部の学位記授与式(いわゆる卒業式)も無事終了しましたことをここに報告致します。
  今年度は、満開の桜が文字通り「花を添え」てくれ、明るい賑やかな卒業式になりました。日本武道館での学位記授与式を終えた卒業生達は、学友との記念撮影もそこそこに市ヶ谷キャンパスへ移動し、日本文学科の学位記交付式に出席。学科を代表し黒田真美子先生がご祝辞を下さり、その後は在校生代表の送辞、卒業性代表の答辞と進み、最後は学科主任から卒業性一人一人に学位記が手渡しされました。
  夕方からは、ボアソナードタワー26階「スカイホール」にて、日本文学科主催の「卒業生を励ます会」があり、多くの卒業生が参加しました。恩師や学友と一堂に会する最後の場ということで、あちこちで別れを惜しむ声が聞かれましたが、そこには涙などほとんどなく、新しい世界へと羽ばたかんとする卒業生達の瞳は、みな一様に希望と自信に満ち溢れていました。それだけ、大学生活で身につけたものが充実していたということなのでしょう。頼もしい限りです。ぜひその力を、社会で存分に発揮してもらいたいと思います。

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雑紙『法政』に日文科生3名の記事が掲載

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  3月20日発行の雑紙『法政』に、日本文学科の学生3名についての記事が掲載されていますので、ここにお知らせ致します。
  まず表紙で紹介されているのは矢萩尚太郎さん(加藤ゼミ、3年)。オープンキャンパスで受けた古典文学の講義に興味を持ち、日本文学科へ入学。2年次からは『源氏物語』を研究する加藤ゼミに所属。現在は「自主マスコミ講座」での活動にも積極的に取り組み、法政ライフを満喫しているそうです。
  続いて登場するのは、「卒業を前にして思うこと」のコーナーで文学部代表として紹介されている古川彩菜さん(黒田ゼミ、4年)。ゼミでは漢詩を読んでいたという古川さんは、実は意外にも体育会系(?)な一面もあり、スポーツ法政新聞会(スポホウ)の学生記者として体育会の取材に奔走したという思い出を語ってくれています。頑張る選手達の姿を伝えたくて、試合会場に足を運び続けたという学生生活は、きっと実り多いものであったことでしょう。
  最後に登場するのは、「Message to You」のコーナーで紹介されている狐塚咲季さん(尾谷ゼミ、3年)。狐塚さんは栃木県の専業農家に育ち、幼少期から畑仕事に慣れ親しんできました。その経験を活かし、昨年行われた「第8回出版甲子園」にて『農ガールが教える。カワイイ野菜作りの本』という出版企画をプレゼンし、見事にグランプリを受賞。受賞については、昨年このブログでも紹介しましたが、それが雑紙『法政』でもこの度紹介されました。
  雑紙『法政』は、在学生とその父母・保護者の方々などを対象に発行している雑誌です。各界で活躍する卒業生へのインタビューをはじめ、各キャンパスの情報や後援会(在学生の父母の組織)からのお知らせ、教員・大学の取り組みなど、多種多様な情報を掲載しています。年間購読もできます。詳しくはこちらをご覧下さい。

通信教育部 学位記交付・卒業祝賀会

 3月24日(日)、学位授与式が日本武道館で行われ、午後からは、ホテルメトロポリタンエドモントで通信教育部の学位記交付と卒業祝賀会が行われました。
 ひとりひとり学位記が読み上げられ、授与されると、卒業生の皆さんは、緊張した面持ちで「ありがとうございました」と受け取り、その後少しほっとしたような笑顔で、学位記を見つめていました。

 学位記交付の後、卒業祝賀会が催され、理事、各学部長、通教部長の祝辞に続き、各学部学科の成績優秀者が表彰されました。
 応援団によるデモンストレーションの後、卒業生、教職員一同、輪になって肩を組み、法政大学校歌を歌い上げました。

 通信教育部卒業生の皆さんは、その多くが仕事、家事、育児や介護などと両立させる難しさに悩みながら、自学自習してこられたことでしょう。
 時に挫けてしまいそうなこともあったでしょうが、こつこつと単位を修得し、2万字以上の卒業論文を執筆して学位を取得した喜び、達成感はなにごとにも勝るものだったのではないかと思います。

 卒業生の皆さん、おめでとうございます!
 皆さんのご活躍を心から祈っています。
 そして、これからも法政大学と何らかの形で関わっていただければと思います。

大学院学位授与式、学位記交付が行われました

 3月24日(日)午前、大学院の学位授与式が日本武道館で行われました。終了後、大学院棟に会場を移し、12時30分より博士後期課程の学位記交付が、13時より修士課程の学位記交付がそれぞれ行われました。

 博士後期課程の学位記交付会場では、はじめに熊田泰章大学院委員会議長の挨拶があり、つづいて各専攻主任より対象者へ学位記が手渡されました。本年度、日本文学専攻では永藤美緒さんが博士の学位を取得しました。また、修士課程の学位記交付は専攻ごとに分かれて実施され、日本文学専攻では各教員の祝辞ののち、11名の学生に学位記が手渡されました。

 修了者の皆さんは4月より教員として、あるいは民間企業で新たな生活を開始します。大学院で培った研究力を生かして、社会で活躍することが期待されます。

博士の学位を授与された永藤さん

学位記を手渡される修士課程の河野さん

日文科教員3名が福州大学(中国)を訪問し、特別講義を行いました

  法政大学が中国福建省の福州大学と「学術一般協定」を締結するのにともない、日本文学科のスティーブン・ネルソン、尾谷昌則、小秋元段の3名が同大学へ派遣されました。本協定は、大学院人文科学研究科日本文学専攻・国際日本学インスティテュートと福州大学外国語学院日語系(潘秀蓉主任)の発議のもと、両校のあいだに締結されることになったものです。
  一行は3月17日に福州へ到着。18日に学部1年生の「総合日本語」の授業を見学。その後、学部2・3年生を対象に、法政大学の大学紹介と3名の教員による公開講義を行いました。講義題目はつぎのとおりです。

    ・「『平家物語』と武士の真実」       (小秋元段)
    ・「日本唐楽の舞楽曲《青海波》─音楽と歴史と文学と─」
                   (スティーヴン・ネルソン)
    ・「若者言葉と言語学」           (尾谷昌則)

  翌19日には王健副学長(国際交流担当)と懇談をし、今後の両校の教育・研究交流の発展について意見交換を行いました。その様子は、福州大学のホームページでも紹介されています(記事はコチラ)。
  福州大学は福建省の省都福州市にある総合大学で、1958年に設立されました。中国教育部が定めた「211工程重点大学」に指定された名門校で、19学部を擁し、学部生・大学院生約3万人が学んでいます。

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日本語検定にて日本商工会議所会頭賞を受賞

  平成二十四年度の第二回日本語検定(通算第十二回)において、団体受験をした法政大学日本文学科が日本商工会議所会頭賞を受賞しました。これは昨年秋に行われたもので、受験したのは1年生を中心とする希望者30名足らず、春に3級を取得した学生が2級に挑戦するというケースが多く見られました。

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20130312_iPhone4S_012 posted by (C)法政日文

大学院「日本文芸特殊研究Ⅱ」で、韓国研修旅行を実施しました

 2013年2月21日より2泊3日で、小秋元段教授、李章姫氏(国際日本学インスティテュート日本文学専攻)の引率により、韓国の慶州、清州、ソウルを訪れました。

慶州仏国寺。修復作業中の釈迦塔を見おろす。

 慶州(キョンジュ)では数々の王陵の並ぶ通りを抜け、仏国寺(佛國寺)と石窟庵(共にユネスコ世界文化遺産)を見学。仏国寺は、『三国遺事』(注1)にその名が見え、新羅時代に建造された寺で、「百万塔陀羅尼」よりも古いと指摘のある(注2)世界最古の木版印刷物「無垢浄光大陀羅尼経」が発見された場所(釈迦塔)です。「釈迦塔」のみ現在復元工事中で、ガラスで囲われていたのですが、工事中の今だけ「釈迦塔」を地上2メートル程の位置から臨むことができます(工事が終わると下から見上げることしかできません)。石窟庵は、仏国寺と同じく新羅時代に建立された寺で、内部には巨大な本尊(如来坐像)があり、それを数々の仏像が囲みます。バス停から石窟庵まで、山道を登っていくのですが、現在は整備されているから良いものの、体力は際どいところで、当時参拝した人々の足腰の丈夫さを実感します。また、石窟庵から臨む慶州の景観は、壮観であると同時に、現在の奈良県や大阪府南部と共通したものを感じ、懐かしささえ覚えました。

 清州(チョンジュ)には韓国高速鉄道(KTX)で移動し、「清州古印刷博物館」を訪れました。世界最古の金属活字印刷物「白雲和尚抄録仏祖直指心体要節(直指心体要節、直指。以下「直指」)」が印刷された地です。「直指」は高麗の禅僧、白雲和尚による上下二巻二冊の仏教書。「直指」の現物は、現在フランス国立図書館で所蔵(現存は下巻のみ)されているのが残念でならないのですが、当博物館では、「直指」を中心に、「直指」を解説する映像、金属活字印刷を生み出す工房を再現した一角、新羅・高麗・朝鮮時代の印刷物や活字の現物が多く展示されています。さらに当博物館では、学芸研究室長の黄正夏氏、イスンチョル氏(注3)が館内を先導してくださり、懇切丁寧な解説を賜りました。その際、李氏による素早く明快な翻訳で、言葉の壁は優に超えられました。また、朝鮮版を機とした、日本の古活字版の起源についての小秋元先生による講演や次稿(注4)も待たれるところです。

清州古印刷博物館。関係者との記念撮影。

 ソウルでは、世宗文化会館の附属展示施設、「忠武公(李瞬臣)物語」「世宗物語」を訪れました。李瞬臣、世宗と、二人の史上人物を展示物の区切りとして、その時代に開発・発展した文化や技術を展示してあります。4Dシアターや射撃ゲーム、亀甲船の再現、多くの印刷物など、その展示方法は多種多様で、大いに楽しむことができました。「国立中央博物館」は、古代から現代までの印刷物・金属活字・美術品・仏像等、主に慶州より発掘された膨大な数の物品を所狭しと展示してあります。一階から四階まで、その量は広大な面積に及びますので、熟視するには時間が足りず口惜しい思いをしましたが、展示品の内、特に文字が刻まれた物は、興味深い品が多く、我々の今後の研究活動の糧となるでしょう。「仏教中央博物館」は仏教(曹渓宗)に関する物品が展示されています。写経や印刷物、版木を筆頭に、仏国寺では見られなかった「無垢浄光陀羅尼経」のレプリカも展示してあり、新羅ひいては韓国の印刷文化を存分に学び取ることができます。

 加えて、仏国寺と石窟庵以外は、すべて無料で開館しており、開館時間は夜9時や10時まで、館内での写真撮影可能と、文化・歴史を開放する、韓国の積極的な姿勢も特筆すべき点です。

 以上、博物館の類を中心に話を進めましたが、他に韓国の食文化や慣習を経験することが出来、たいへん充実した3日間でした。

鍋料理も堪能。

(注1)一然『三国遺事』。青柳綱太郎編『原文和訳対照 三国遺事 全』(名著出版、1975年)などに所収。一然私撰の史書。「『三国史記』にもれた新羅・百済・高句麗三国の遺聞を九部門に分類して収録。」(『日本国語大辞典』)――法政大学図書館架蔵。

(注2)川瀬一馬氏「新羅仏国釈迦出の無垢浄光大陀羅尼経について」『書誌学復刊新33・34号』(日本書誌学会、1984年)に所載。「無垢浄光大陀羅尼経」は「百万塔陀羅尼」完成の19年前に完成した世界最古の印刷物として紹介。――法政大学図書館架蔵。

(注3)両氏は2007年から2010年に掛けて、「朝鮮王室鑄造金属活字復元事業」へ参加。

(注4)古活字版についての論文は次の通り。小秋元段氏「古活字版の淵源をめぐる諸問題――所謂キリシタン版起源説を中心に――」。法政大学国際日本学研究所『国際日本学 研究成果報告集 第8号』(2010年9月)所載。日本に於ける活字印刷技術の起源・経緯を論じた先行研究を整理し、問題点を洗い出す。――法政大学図書館に架蔵。

(報告 修士課程一年 藤井輝)