2022年度国文学会大会が開催されました

9月24日(土)13:30~ボアソナードタワー26階にて、2022年度国文学会大会が開催されました。今年度は、初の試みとして、対面とZOOMを併用した「ハイブリッド型」での実施となりました。
はじめに、勝又浩会長より開会の挨拶がありました。勝又会長は、近年のCOVID-19や異常気象などについて触れた上で、「我々の経験したことの無いような出来事が起こるなか、国文学会はそれをどう切り抜けていくか、これから楽しみにしています。」と述べられました。

▲開会の挨拶を述べる勝又浩会長

 

一本目の研究発表は、児島誠さん(本学博士後期課程1年)による「『桜の森の満開の下』を読む――明治期以降の日本文学における桜表象の変遷――」。坂口安吾の小説『桜の森の満開の下』を中心に、日本文学における〈桜〉のモチーフがいかに機能しているか、考察がなされました。

二本目の研究発表は、富山隆広さん(本学博士後期課程3年)による「能〈賀茂〉の構想と間狂言」。能〈賀茂〉本来の間狂言が「末社アイ」であった可能性を指摘し、その変遷について考察がなされました。

講演は、間宮厚司先生、福寛美先生、ヤナ・ウルバノヴァー先生による「琉球文学の先端的研究」。『おもろさうし』に頻出し、「天上他界」を意味する語「オボツ・カグラ」について、言語学・民俗学・文学の観点からお話いただきました。

 

総会では、2021年度の会務・会計報告および今年度の会務・予算案とともに、国文学会会則第五条・第六条の改定について、承認を得ました。なお、会則改定につきましては、『日本文學誌要』第107号(2023年3月発行予定)に反映いたします。

 

『日本文學誌要』第106号が刊行されました

『日本文學誌要』第106号が刊行されました。目次は以下の通りです。

〈資料紹介〉

「源氏物語絵」一〇枚(加藤昌嘉)

〈論文〉

『源氏物語』浮舟の「尼衣」歌考(山崎和子)

岡本かの子「娘」論――スカルの競漕に秘められた希求と相克――(内田貴子)

「路地」からのユーカラ――中上健次の描いたアイヌ――(鈴木華織)

〈卒業論文〉

三島由紀夫『春の雪』における恋愛の絡繰り(藤本七愛美)

〈論文題目〉

大学院人文科学研究科日本文学専攻 博士論文・修士論文 題目一覧 二〇二一年度

文学部日本文学科 卒業論文題目一覧 二〇二一年度

通信教育部文学部日本文学科 卒業論文題目一覧 二〇二一年度

〈法政大学国文学会会則〉

〈投稿要項〉

***

なお、『日本文學誌要』第107号は、2023年3月の刊行を予定しております。

濱谷真広さん「第17回小説現代長編新人賞」第一次選考を通過

「いくつかの嘘」で濱谷真広さんが「第17回小説現代長編新人賞」(講談社主催)の第一次選考を通過しました。一次選考の結果は、『小説現代』10月号に掲載されています。

なお、「第18回小説現代長編新人賞」は現在公募中なので(締切:2023年7月31日)、興味のがる人は臆することなく一歩を踏み出しましょう。また、「小説現代」編集部のページもぜひ覗いてみてください。

 

法政大学国文学会の懇親会について

ギリギリまで感染状況を見守っておりましたが、今週末に開催される法政大学国文学会大会では、対面形式の懇親会は中止とすることに決定しました。

しかし、大会が終了してもしばらくはZoomを閉じませんので、オンライン上での懇親は可能です。懐かしい顔を見ながら、ぜひ卒業生・恩師との懇親をお楽しみください。

法政大学国文学会2022年大会のお知らせ

2022年度の法政大学国文学会大会を以下の要領で開催します。

◆日 時: 2022年9月24日(土) 13時30分より

◆会 場: 法政大学 ボアソナードタワー26階 スカイホール

◆参加費: 無料

※ 対面参加、オンライン(ZOOM)参加、いずれも可能です。
※ どちらの参加形態をご希望の場合も、事前に参加申し込みフォームよりお申し込みください。

◆プログラム

【開会】(13:30)

【会長挨拶】(13:30~)    勝又 浩(法政大学国文学会会長・
                         法政大学 名誉教授)

【研究発表1】(13:40~)

 「桜の森の満開の下」を読む
    ――明治期以降の日本文学における桜表象の変遷――

     児島 誠(法政大学大学院 博士後期課程)

【研究発表2】(14:20~)

  能〈賀茂〉の構想と間狂言
     富山 隆広(法政大学大学院 博士後期課程)

【休憩】(15:00~)

【講演】(15:20~)

 琉球文学の先端的研究
     間宮 厚司(法政大学教授・法政大学沖縄文化研究所兼担所員)
     福 寛美(法政大学兼任講師・法政大学沖縄文化研究所兼任所員)
     ヤナ・ウルバノヴァー(法政大学兼任講師・
                 法政大学沖縄文化研究所国内研究員)

【総会】(16:10~) 会務報告・会計報告・役員改選・その他

【閉会】(16:40)

(【懇親会】(17:00~))

※ 懇親会は、コロナウイルスの感染状況によっては中止します。実施の決定については「日本文学科オリジナルサイト」で後日発表予定。


法政大学国文学会大会 参加申し込み用フォームURL

 https://qr.paps.jp/7e1LZ


山﨑修平さんの詩集が舞台化!

第31回歴程新鋭賞受賞を受賞した山﨑修平さんの詩集『ダンスする食う寝る』が舞台化されることになりました。以下の3公演が予定されています。

7月9日(土) 開演19時
7月10日(日) 開演15時  開演19時

於 サブテレニアンhttps://subterranean.jp/access 

一般2,500円、学生2,000円、通し券6,500円

 詩:      山﨑 修平

出演・振付:  遊舞舎 優子 慶子

音楽:     松永 悠太郎

ご予約フォーム(添付QRコード)https://qr.paps.jp/y2Qet6

もしくは以下のアドレス

yubusha.butoh@gmail.com

に、①お名前 ②ご連絡先 ③ご予約公演をご記載の上お送り下さい。

『法政文芸』第17号が刊行されました

 

『法政文芸』第17号が刊行されました。
今号は創刊以来初の「創作特集号」となっており、卒業制作に加え、現在多方面で活躍している法政大学の在学生・卒業生・修了生の作品が掲載されております。
ぜひご覧ください。

目次は以下の通りです。


【目次】

〈巻頭表現〉
peeling(櫻井 朋子)

〈巻頭エッセイ〉
東京という定型詩(山﨑 修平)

〈創作〉

小説

浮遊する父(作山 有希)

ジューン・プライド(江口 桃子)

僕らはよそ者(小島 周)

ルダスの悪い癖(山口 理沙)

閃光(清水 惠菜)

夜明け前の棋士(醍醐 信太朗)

海をめざして(中沼 健介)

玉手箱(岡本 啓吾)

〈新鋭短篇競作〉

小説

義祖父(植木 智)

忍者になって巻物を取りに行きたい(くぼ田 あずさ)

濡れ手に粟/ご勇退(井口 可奈)

エッセイ

缶ビールと駅弁(長谷川 萌)

創作者と向き合う非創作者の矜持(石井 龍)

星かげさやかに(結城 紫雄)


〈執筆者紹介〉
〈編集後記〉

   ※

日本文学科の学生および大学院日本文学専攻の院生には新年度に配布予定となっております。

なお、『法政文芸』第18号は2022年度内の刊行を予定しております。
刊行時には本サイトにて告知いたしますので、適宜ご覧いただけますようお願い申し上げます。

『日本文學誌要』第105号が刊行されました

 

『日本文學誌要』第105号が刊行されました。
目次は以下の通りです。


【目  次】

 

〈講  演〉
谷崎潤一郎 映画を夢む

――恍惚/越境のテクスト―― (佐藤 未央子)

 

〈論  文〉
一九二〇年代におけるシュルレアリスムの受容

――西脇順三郎と瀧口修造の作品を中心に―― (山﨑 修平)

 

昭和10年代の娯楽小説における〈地下〉表象

――『新青年』作家を中心に―― (杉本 裕樹)

 

荻野アンナ『背負い水』における人物造形と〈現在性〉 (小林 福実)

 

〈卒業論文〉
『源氏物語』明石母子の上京構想

――澪標巻から薄雲巻にかけての変遷―― (宮田 一誠)

 

〈書  評〉
天野紀代子著『賀茂保憲女 紫式部の先達』 (原 槇子)


〈法政大学国文学会彙報 二〇二一年度〉

〈法政大学国文学会学則〉

〈投稿要項〉

 

   ※

 

日本文学科の学生および大学院日本文学専攻の院生には新年度に配布予定となっております。

なお、『日本文學誌要』第106号は2022年9月の刊行を予定しております。
刊行時には本サイトにて告知いたしますので、適宜ご覧いただけますようお願い申し上げます。

『物語を紡ぐ女たち 自然主義小説の生成』(中丸宣明著、翰林書房)が刊行されました

 

中丸宣明教授の著書『物語を紡ぐ女たち 自然主義小説の生成』(翰林書房)が刊行されました。

二部に分けてそれぞれで二十世紀初頭の自然主義文学として田山花袋・島崎藤村・徳田秋聲の文学が論じられていますが、各部の序章で先生のご専門である十九世紀文学との回路を開くことからはじめることによって、日本文学における自然主義文学の形成に新たな見方をしめす論考になっております。

ぜひ、お手にとってご覧ください。

以下、書誌情報と目次でございます。

   ※

【書誌情報】
発行:翰林書房
発行日:2022年2月20日
定価:3740円
頁数:336
ISBN:978-4-87737-463-1


【目次】

凡例

【第一部】

序 章 二十世紀初頭の文学的風景――ポスト立身主義時代の文学
    Ⅰ 「末流文壇」の時代
    Ⅱ 立身出世の夢
    Ⅲ 供犠の文学
    Ⅳ おぞましきものの転位
    Ⅴ 社会小説と家庭小説
    Ⅵ 〈一曲転〉の予感

第一章 花袋の初期――「蒲団」まで
    Ⅰ 故郷喪失
    Ⅱ 文学の鎧
    Ⅲ 抱きつき戦略
    Ⅳ 通俗への融解

第二章 藤村――「破戒」と「春」
    Ⅰ 立身出世主義の果て
    Ⅱ 詩から散文への隘路
    Ⅲ 物語の挫折
    Ⅳ 簒奪される物語
    Ⅴ もう一つの〈理想の春〉

第三章 秋聲の初期――「雲のゆくへ」まで
    Ⅰ 悲惨小説の臨界
    Ⅱ 弱さの位相
    Ⅲ 共同性が夢想されるとき


【第二部】

序 章 「物語」を紡ぐ女たち
    Ⅰ 囚われの男たち
    Ⅱ 「家庭小説」の時代
    Ⅲ 男女をめぐる二つの物語

第一章 花袋――「生」と「妻」
    Ⅰ 明治の「人間喜劇」
    Ⅱ 西洋文学に背を向けて
    Ⅲ 二十世紀のアダムとイブ
    Ⅳ 「新しい女」の物語へ

第二章 藤村――「家」
    Ⅰ 廃棄される物語
    Ⅱ 旧家の物語
    Ⅲ 階下の物語

第三章 秋聲――「足迹」と「黴」と「爛」
    Ⅰ 成長する語り
    Ⅱ 重奏する物語
    Ⅲ 二人称の話法
    Ⅳ 見出された「物語」
    Ⅴ 近代の説話


初出一覧

あとがき

索引