木島悠翔さんが八王子ShortFilm映画祭の「一般部門」にノミネート

大学院修士課程の木島悠翔さん監督作『LIFE IS STAIRS』が、第9回八王子ShortFilm映画祭にて「一般部門」にノミネートされました。同作品は、12月5日(日)に開催される同映画祭にて上映されます。

  ◆作品: 『LIFE IS STAIRS』

       (脚本・監督・プロデューサー: 木島悠翔)

        予告編はこちらから閲覧できます。

        映画祭公式サイトはこちらです。

  ◆会場: Royal Garden Palace八王子日本閣

  ◆入場: 無料

第65回群像新人評論賞の最終候補作品に選出

 鈴木華織さん(大学院博士後期課程、田中ゼミ)の「〈雑種(ハイブリッド)〉であること―中上健次のクレオール性」が、第65回群像新人評論賞の最終候補作品に選出されました。惜しくも新人賞受賞とはなりませんでしたが、第一次選考、第二次選考を通過し、最終選考にまで残ったことは大変素晴らしいことです。

『群像』(2021年12月号)には、最終選考にまで残った5つの作品について、選考委員であった東浩紀、大澤真幸、山城むつみの3氏による講評も掲載されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

 

『とびらをあける中国文学――日本文化の展望台』刊行されました

 

『とびらをあける中国文学―日本文化の展望台』(新典社)が刊行されました。

同書には遠藤星希先生(日本文学科准教授)が寄稿されています。
遠藤先生の寄稿された章では「天と地がひっくり返っても」というような有り得ない自然現象を用いた表現について、中国の民間歌謡「上邪」と『万葉集』二七八七番歌の比較を皮切りに様々な文献をとおして、中国と日本の「難題」や「天」にたいする文化的差異の一端が述べられています。
その他の章でも様々な中国古典がわかりやすく解説・紹介されており、比較としてあつかわれる題材もマンガや西洋文学までふくめ幅広く、中国の古典作品をとおして見慣れた日本の文化に新たな見方を楽しく与えてくれるような内容になっております。
ぜひ、お手にとってご覧ください。

以下、書誌情報と出版社サイトからの内容の転載、目次でございます。

   ※

【書誌情報】

発行:新典社
発行日:2021年9月28日
定価:2530円
頁数:308
ISBN:978-4-7879-6853-1

【内容】
私たちの日常の中に隠れた、知的冒険へのとびら。故事成語や伝統文化、水滸伝、金瓶梅―日本と中国の今と昔を行き来しながら、古典を鍵としてそのとびらをあける。そこから見える新たな世界とは。

【目次】

はじめに(高芝 麻子)

第一章 言葉の来た道―心頭を滅却すれば火もまた涼し―(高芝 麻子)
    はじめに
    一、甲斐恵林寺でのできごと
    二、現代のイメージが生まれるまで
    三、言葉の歴史を遡る
    四、快川和尚の時代
    おわりに

第二章 日中の古典作品に見える有り得ない自然現象とその意味するもの(遠藤 星希)
    はじめに
    一、不能条件としての有り得ない自然現象
    二、難題説話の位置づけ
    三、天の介入
    四、天と天子と人民
    五、天を感動させるのも実力のうち
    六、中国の「天皇」と日本の天皇

第三章 中日井戸異聞―文学に描かれる井戸描写を中心に―(山崎 藍)
    はじめに
    一、経典の井戸
    二、井戸神の存在
    三、閉ざされた井戸
    四、様々な場所へと繋がる井戸
    五、井戸を詠った詩歌―唐代以前―
    六、井戸を詠った詩歌―唐詩を中心に―
    おわりに 日本における井戸

第四章 『金瓶梅』宋恵蓮故事を読む(田中 智行)
    はじめに
    一、くりかえされる物語
    二、たかが呼び方、されど呼び方
    三、宋恵蓮の最期

第五章 『水滸伝』から考える明清時代のエンタメ小説:白話小説(馬場 昭佳)
    はじめに 「文学」とは何だろう
    一、明代後期という時代
    二、白話小説の特徴:現代の娯楽環境との類似
    三、『水滸伝』:白話小説の先駆者
    四、現代との違い:著作権のない出版環境
    おわりに なぜ古典文学を研究するのか

あとがき(遠藤 星希)

2021年度法政大学国文学会大会を開催いたしました

 

 

2021年度法政大学国文学会大会が9月25日(土)に開催されました。
2020年度の大会はCovid-19の影響で中止となったため2年ぶりの開催となりましたが、状況を鑑みてZoomを利用したオンライン上での大会という初の試みとなりました。

プログラムは以下の通りです。

 

【会長挨拶】

【村山龍先生 追悼】

【研究発表1】
昭和初期におけるシュルレアリスムの受容―西脇順三郎と瀧口修造の作品を中心に

山﨑 修平(法政大学大学院 博士後期課程)

【研究発表2】
昭和戦前期の娯楽小説における〈地下〉表象―『新青年』作家を中心に

杉本 裕樹(法政大学大学院 博士後期課程)

【新任教員紹介】

【講演】
谷崎潤一郎 映画を夢む―恍惚/越境のテクスト

佐藤 未央子(法政大学 助教)

【総会】

【懇親会】

 

勝又浩会長より開催のご挨拶をいただいたあと、昨年4月に急逝された村山龍先生の追悼をおこないました。
まずは全員で黙祷をささげ、藤村耕治先生と佐藤未央子先生に思い出をお話しいただき村山先生を偲びました。

今年度は研究発表が2本おこなわれました。最初の研究発表は博士後期課程1年の山﨑修平さんによる「昭和初期におけるシュルレアリスムの受容―西脇順三郎と瀧口修造の作品を中心に」で、昭和初期の日本におけるシュルレアリスムの「輸入」と展開について、その最初期の紹介者としての西脇順三郎と実践的な理解者としての瀧口修造の詩を比較することによって考察がなされました。

2本目の研究発表は博士後期課程2年の杉本裕樹さんによる「昭和戦前期の娯楽小説における〈地下〉表象―『新青年』作家を中心に」で、昭和戦前期に『新青年』を中心とした娯楽雑誌に掲載された作品のなかの〈地下〉表象を分析することで、科学的発達にともなう地下空間の拡大と沈潜志向をふくめた〈地下の思想〉について考察がなされました。

新任教員紹介では、昨年度ご紹介できなかった王安先生と、本年度着任された佐藤未央子先生にご挨拶をいただきました。

講演では佐藤未央子先生に「谷崎潤一郎 映画を夢む――恍惚/越境のテクスト」という題目で、谷崎潤一郎と映画のかかわりについて豊富な映画資料をもとにしながらご紹介いただき、さらにそれが谷崎潤一郎の文学作品にもたらした影響についてお話しいただきました。

総会では2年分の会務・会計報告と今年度の会務・会計案とともに、国文学会会則第6条の改定と『日本文學誌要』掲載論文のインターネット公開について承認をえました(会則改定につきましては『日本文學誌要』次号(105号)より反映させていただきますので、会員のかたはご確認ください)。

総会後にはそのまま懇親会がおこなわれ、盛会のうちに終了いたしました。

日本文学科共同研究室助手・国文学会事務局
関口 雄士

『日本文學誌要』104号が刊行されました

 

『日本文學誌要』104号が刊行されました。

目次は以下のとおりです。

 

【目次】

〈紙上講演〉
感情表現の諸相:類型論的観点から(王 安)


〈論  文〉
与謝野晶子の直感力とフランス女性観

 ――フランスの雑誌・新聞を中心に(菊地 英之)

 

意味の空白・空白の記憶

 ――目取真俊「伝令兵」論(柳井 貴士)


〈卒業論文〉
久生十蘭「海豹島」論

 ――とざされた「海豹島」と「可能性」の増殖(清水 小千恵)


〈書  評〉
田中優子・小林ふみ子・帆苅基生・山口俊雄・鈴木貞美 著

『最後の文人 石川淳の世界』(関口 雄士)


〈論文題目〉
大学院人文科学研究科日本文学専攻 博士論文・修士論文題目一覧 二〇二〇年度

文学部日本文学科 卒業論文題目一覧 二〇二〇年度

通信教育部文学部日本文学科 卒業論文題目一覧 二〇二〇年度


〈法政大学国文学会会則〉


〈投稿要項〉

 

   ※

 

『法政文芸』第17号は2021年度内、『日本文學誌要』105号は2021年3月刊行を目指し、編集作業をすすめております。

刊行時には本サイトにて告知いたしますので、適宜ご覧いただけますようお願い申し上げます。

『万葉異説――歌ことばへの誘い[増補版]』(間宮厚司著、森話社)が刊行されました

 


 

間宮厚司教授の著書『万葉異説──歌ことばへの誘い[増補版]』が2021年8月に刊行されました。
本書は2011年に同社より刊行された『万葉異説──歌ことばへの誘い』に、増補版まえがき(イラスト付き)と2編(第20、21話)を追加したものでございます。
始めて読まれる方も、旧版をお読みの方も、ぜひお手にとってください。

以下、書誌情報と目次でございます。


【書誌情報】

発行:森話社
発行日:2021年8月31日
定価:2200円
頁数:206
ISBN:978-4-86405-162-0


【目次】

増補版 まえがき

まえがき

Ⅰ 『万葉集』の基礎知識

Ⅱ 万葉異説──訓読の再検討と類歌の表現比較
第1話   家持の万葉秀歌を読み直す
第2話   難訓歌「邑礼左変」に挑む
第2話補遺 類歌「思はぬを思ふと言はば」
第3話導入 新聞に取り上げられた万葉歌
第3話   人麻呂の屈指の名歌「乱友」再考
第4話   類歌「宿り悲しみ」と「廬り悲しみ」
第5話   類歌「忘れかねつる」と「忘らえぬかも」
第6話   類歌「潤和川辺の」と「潤八川辺の」
第7話   類歌「恋しけば」と「恋しくは」
第8話   類歌「鳴く鳥の」と「居る雲の」
第9話   類歌「ほととぎす」と「うぐひすの」
第10話   異伝歌「生跡毛無」と「生刀毛無」
第11話     「莫囂円隣之大相七兄爪謁気」の読み方
第12話     「強佐留」の読み方
第13話     「鳥翔成」の読み方
第14話     「已具耳矣自得見監乍共」の読み方
第15話     「面智男雲」の読み方
第16話     「風尓乱而」の読み方
第17話     「心異」の読み方
第18話     「居明而」の読み方
第19話     「入潮為」の読み方
第20話  「入潮為」再考
第21話  〈乱〉字をサワク(騒)と読む万葉歌は何首あるか

Ⅲ 資料篇──難訓歌と類歌・異伝歌等
資料1   難訓歌(本書で論じなかった短歌)一覧
資料2   類歌・異伝歌等(本書で論じなかった短歌)一覧
資料3   特に注目したい類歌

あとがき

山﨑修平さんの「長寿梨」が「ベスト・エッセイ2021」(光村図書)に収録

「群像」2020年11月号に山﨑修平さん(大学院・博士課程在籍)が寄稿したエッセイ「長寿梨」が、日本文藝家協会編「ベスト・エッセイ2021」(光村図書)に収録されました。

 

なお、山﨑さんは多方面で活躍中で、NHKラジオのドラマ「真夜中の古本屋」のために書き下ろしの詩も、2021年8月7日 (午後10時~午後10時50分)に放送されます。

2021年度修士論文中間報告会のお知らせ

 

大学院日本文学専攻の修士論文中間報告会を下記の通り実施します。
修士課程2年生が研究の中間報告を行う場です。
その他の日本文学専攻の院生も万障繰り合わせて参加し、積極的に質疑応答に加わってください。
特に修士課程1年生は参加が原則となります。

〇日時
2021年7月28日(水)13時30分~

〇形式
【古典】【近現代】と分けて、Zoomを利用した遠隔発表のみ実施します。
ZoomのURLは発表資料とともに後日通知いたします。

〇発表者への連絡
発表時間は5分です。研究内容を要領よくまとめてください。
質疑応答の時間は10分です。
・発表資料はA4サイズ2枚以内におさめ、PDFファイル1つにまとめてください。
・発表資料は7月23日(金)16時までにEメールに添付して、日本文学科共同研究室までご送信ください。
 【注意】締切は厳守してください。提出後の発表資料差しかえは認めません。

小林裕子著『佐多稲子 政治とジェンダーのはざまで』刊行されました

 

小林裕子氏(大学院日本文学専攻修了、国文学会会員)より新著『佐多稲子 政治とジェンダーのはざまで』をご恵投いただきました。

発行:翰林書房
発行日:2021年6月22日
定価:4180円
頁数:367
ISBN:978-4-87737-459-4

   *

【目次】

佐多稲子小伝――他者という鏡

Ⅰ 詩から小説へ

詩からの出発――仮面から素面へ
小説への転身

Ⅱ プロレタリア文学の中の女たち

「女工」もの五部作――走る、泣く、揺れる「女工」たち
「煙草工女」の語りの構造――母の顔と党員の妻の顔
「別れ」――乳を搾る女

Ⅲ 戦争前夜の模索

「牡丹のある家」の位置――「くれない」につながる転換点
「樹々新緑」――目覚めと苦悩
「くれない」――政治、生活、文学の転機

Ⅳ 戦後日本の時空間
敗戦直後の評論活動――使命感とともに
「みどりの並木道」――空虚な明るさ
「夜の記憶」――二つの夜の明暗
「渓流」(一)――ある女系家族の終焉
「渓流」(二)――〈わが家〉はなぜ失われたか
「黄色い煙」と「ばあんばあん」をめぐって――時事問題の取り込み

Ⅴ 同時代の女性作家
若杉鳥子(一)――階級格差と男女格差
若杉鳥子(二)――闊達な女語りの魅力
壺井栄「廊下」――逆境の下での夫婦愛
大谷藤子「須崎屋」――母子幻想の崩壊

あとがき
初出一覧
索引

奥野紗世子さんの新作「無理になる」が『文學界』(2021年6月号)に掲載

 奥野紗世子さん(大学院日本文学専攻修士課程)の新作「無理になる」が、『文學界』6月号に掲載されています。奥野さんは、デビュー作「逃げ水は街の血潮」で第124回文學界新人賞(2019年度)を受賞し、その後も「復讐する相手がいない」(『文學界』2020年5月号)、「サブスティチュート・コンパニオン」(2020年『文藝』冬号)といった作品を世に出し続けています。「無理になる」は、それらに続く第四作目で、恋愛ものの創作です。日文生の皆さん、緊急事態宣言下で外出する機会も減っていることでしょうから、ぜひ夜のお供に。