結木貴子さんの『うるみん』が発行されました

 法政大学大学院人文科学研究科(日本文学専攻、文芸創作研究プログラム)修了生、結木貴子さんの小説『うるみん』が東京新聞より発行されました。部落解放文学賞入賞作となった結木さんの「うるみん」は、2012年6月より翌年10月まで東京新聞川崎版にて連載。今回発行された単行本は、これに加筆・修正を加えたものです。
 主人公の春香は、結婚式の代理出席のアルバイトから、葬儀で泣く「泣き屋」のアルバイトへと急に異動を命じられます。しかし、うまく泣くことができず、ベテランの和江さんからいつも叱責される日々。そんな春香に居場所を与えてくれるのは、寮で共同生活を送る「泣き屋」の仲間達。舞台女優になるために沖縄から上京してきた綾。お酒が好きで、お化粧が好きで、家出が好きな美由紀。背中に「男の子スイッチ」を持ち、自分のルーツを探す旅人のテハ。同じ屋根の下に集う者に美味しい料理を出すことを生き甲斐とし、無償の愛を提供し続ける一児の母、侑子。様々な事情を抱えながらもたくましく生きる登場人物達とのふれあいを通じて、春香は何を思い、どう変化してゆくのか。果たして春香は、うまく泣けるようになるのか。その結末は、どうぞ本書にてお確かめ下さい。

Comments are closed.