卒業式当日のスケジュール

日本文学科の4年生(卒業予定者)への連絡です。

2018年3月24日(土)、卒業式当日のスケジュールは、以下の通りです。

 

▼▼▼学位授与式(文学部ほか、合同)▼▼▼

場所:日本武道館

時間:13:00開場、13:45開式、15:30閉式予定

 

▼▼▼学位記交付式(日本文学科)▼▼▼

場所:ゲート棟、G503教室

時間:16:00~17:00

※在学生からの「送辞」、卒業生からの「答辞」、教員からの「送る言葉」があります。

※その後、卒業生一人一人に、学位記が手渡されます。

※“筆記用具”と“学生証”を忘れずにお持ち下さい。(学生証を忘れると学位記をお渡しできません)

 

▼▼▼卒業生を励ます会(日本文学科)▼▼▼

場所:ボアソナードタワー26階、スカイホール

時間:17:30開場、18:00ごろ開会、19:30ごろ閉会

会費:無料

※立食形式(飲み物・食べ物が用意されています)

以上

国立劇場キャンパスメンバーズ 会員限定レクチャーのご案内(3月)

国立劇場キャンパスメンバーズ、3月の会員限定レクチャーのイベントをお知らせします。

下記以外にも国立劇場では様々な公演が行われていますので、80年館8階日文共同研究室前にあるチラシ、国立劇場ウェブサイトでご確認ください。

 

【キャンパスメンバーズ 会員限定レクチャー】

国立劇場バックステージツアー

▼2018年3月13日(火)、3月21日(水・祝)、24日(土)、25日(日)

▼16:05開始 16:35終了予定

▼料金:無料

▼定員:各日10名(先着順)

▼申し込み締め切り

3月13日の回:3月1日(木)締め切り

3月21・24・25日の回:3月14日(水)締め切り

▼お申し込み方法

下記事項を記載の上、メールにてお申し込みください。

(件名):キャンパスメンバーズ3月バックステージツアー申し込み

(本文):①氏名 ②学校・学部名 ③参加希望日

送り先メールアドレス:eigyo-nt@ntj.jac.go.jp

 

 

【第69回 伝統芸能サロン 役者絵を読み解く】

▼講師:石橋 健一郎

▼日時:平成30年 3月20日(火) 午後2時~

▼会場:国立劇場 伝統芸能情報館 3階レクチャー室

▼募集人数:120名

▼料金:無料

▼応募方法:往復はがきに下記のとおりご記入ください。平成30年2月23日当日消印有効。

返信面:①お申し込みされる方のご住所

②お申し込みされる方のお名前

③電話番号(またはFAX番号)

④サロンの開催日

⑤サロンのタイトル

往信面:〒102ー8656

千代田区隼町4-1 国立劇場 資料サービス課 伝統芸能サロン係 行

 

※発売中のチケットについては、既に売り切れている場合もありますことをご容赦ください。

ヤナ・ウルバノヴァーさんが沖縄文化協会賞を受賞


 法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻博士課程を2014年に修了(博士号取得)したスロバキア共和国生まれのヤナ・ウルバノヴァーさん(36)が、琉歌における表現の比較研究に対して、沖縄学の若手研究者に贈られる第39回沖縄文化協会賞を受賞(授賞式は2017年11月18日に沖縄国際大学で開催)されました。受賞理由については、授賞式の際に配布された資料にある以下の文章のとおりです。

 ヤナ・ウルバノヴァー氏は、母国スロバキアのコメニウス大学東アジア研究学科日本語及び異文化間コミュニケーション専攻在学中に、琉球大学に一年間留学する機会を得、沖縄との出会いがあったが、帰国後の卒業論文では琉歌における水の現象(海、川、雨、露)を取り上げた。
 その後、在スロバキア日本大使館に勤務。28歳の時、法政大学大学院修士・博士課程(日本文学専攻)で、間宮厚司教授指導の下、日本語の表現研究の対象として琉歌研究を本格的に開始した。
 5年後ウルバノヴァー氏は、博士論文を『琉歌の表現研究―和歌・オモロとの比較から―』として出版、またそれに続けて「琉歌における『雪』について」を著し、琉歌研究を表現論中心に精力的に推し進めた。
 琉歌の表現についての研究は、これまでに幾多もあったが、それぞれの研究者の読みの「印象」を中心にまとめたともいえる論考が多かった。氏の研究では、正確な文献操作と比較研究、それによる読み、比較対象(うた)の多角的観点からの解釈・検討等、緻密な作業の積み上げがなされている。すなわち、可能な限りの科学的な分析と組み立てによる成果であるといえる。
 具体的には、琉歌と和歌、琉歌とオモロとの比較研究が厳密になされているということだが、特に和歌からの影響については「改作琉歌」という用語を用いて、その影響関係を整理している。そして、オモロとの比較研究からは、事例は少ないながらも、和歌にはない沖縄独自の用語による、琉歌表現がなされており、和歌にはないイメージを定着させていると述べる。また沖縄特有の景物、植物等を詠み込むことにより、沖縄独自の文芸用語も生み出していると分析し、評価している。
 さらにまた、昨年、英文の琉歌論を著しており、英語を中心とした外国語による本格的な琉歌論ならびに評論が世界ではじめて紹介されたが、ウルバノヴァー氏ならではの業績であり、今後の世界文芸への琉歌の進展も視野に入れられるようになった。
 今後さらに活躍が、大いに期待できる内容であることを評価して、今年度の仲原善忠賞受賞となった。

 なお、授賞式翌日の11月19日(日)の『沖縄タイムス』と『琉球新報』に受賞の記事が掲載されました。また、ヤナさんは11月20日(月)に、琉球大学の学長大城学長を表敬訪問し、受賞の報告を行いました。(日本文学科 教授 間宮厚司)

ゼミ説明会を開催しました(坂本ゼミ3年、海保麻衣)

11月11日(土)、学生委員主催の、一年生向けゼミ説明会が行われました。

学生委員代表の海保さんに印象記を執筆して頂きました。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ゼミ説明会を終えて

ゼミ説明会というのは1年生にはもちろん、現ゼミ生である私達にとっても重要なものであると思っています。今一度自分たちのゼミについて知り、考える良い機会となるからです。

説明会当日は、各ゼミの発表者が皆緊張と不安の表情を浮かべながらも1年生に自分たちのゼミをよく知ってもらおうと工夫を凝らし発表している様子が伺えました。中には説明会場を驚きや笑いの声でつつむゼミもあり、1年生は説明会を通して更に多くのゼミに興味を持ち、選択肢を広げられたのではないかと思います。

個別説明会では、時間いっぱいまで現ゼミ生に疑問をぶつける1年生が多くみられました。輪になって話し合いを行うゼミもあり、終始和やかな雰囲気の中、ゼミ説明会は終了となりました。

説明会を踏まえた上で、1年生には悔いのないゼミ選びをしてもらいたいです。

 

(坂本ゼミ3年 海保麻衣)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2017年度 博士後期課程中間報告会のお知らせ

日本文学専攻博士論文中間報告会を、下記のとおり実施します。
博士後期課程在籍者が、研究の中間報告を行う場です。
その他の学生も、万障繰り合わせて参加し、質疑応答に加わって下さい。

日時:2017年12月6日(水)13時30分~
場所:大学院棟202教室

▼博士後期課程在籍者への連絡▼
発表者は以下の要領で準備をして下さい。
◎発表時間は、10分です。研究内容を要領よくまとめて下さい。
◎(A)論文・学会発表等の成果、(B)具体的な研究内容、(C)今後の研究方向を、要領よくまとめて発表して下さい。質疑応答時間は、10分です。
◎発表プリントを準備して下さい。A3、1 枚分(裏面は使用不可)。
◎発表プリントは11月27日午後5時までに、80年館8階「日本文学科共同研究室」(816)に提出してください。
※休学中の学生、および博士論文提出者は、発表の義務はありません。

問合せ先:日本文学科共同研究室 藤井

『韋應物詩論――「悼亡詩」を中心として――』(黒田真美子著、汲古書院)が刊行されました

 本書黒田真美子先生が日本文学科を御定年で退職される直前に上梓された研究書です。韋応物(735?~790?)は唐代中期の詩人であり、山水の自然をうたった詩人として王維・孟浩然・柳宗元とともに「王孟韋柳」と並称されました。
 本書の副題にいう「悼亡詩」とは、詩人が亡くなった妻を悼んで詠んだ詩のことです。韋応物は妻の元蘋が亡くなった後、十年近くの歳月をかけて、三十首を超える悼亡詩を作りました。悼亡詩といえば、西晋の潘岳や南北朝時代の江淹の作も知られていますが(潘岳は三首、江淹は十首現存)、韋応物の悼亡詩は従来のそれと比して圧倒的な分量を誇っています。また、唐代に入ると悼亡詩は作られなくなりますが(あるいは作られていたのかもしれませんが、少なくとも初唐・盛唐期の作は現存していません)、中唐期に至って韋応物の作が突如出現したことも目を引きます。黒田先生はこれらの事実に着目し、「質量豊かな「韋悼」(※執筆者注:韋応物の悼亡詩の略称)がなぜ出現し得たのか、いかなる特質や意味を有するかを考察し、その上で韋応物詩の枢要と看做される自然詩との関わりを審究する」(本書「序」より)ことを目指されました。その積年の研究を集大成したものが本書です。
 韋応物の詩に描かれる自然を論じた従来の研究は、多くが「景」を考察して「景情融合」を結論とするものでした。それに対して、黒田先生は「情」を描いた悼亡詩に重点を置いて考察することで、新しい視座から「景情融合」の様相を明らかにしています。その手法は、悼亡詩の一首一首を丁寧に読みこみ、語の来歴や用例を丹念に調査すると同時に、詩人の事跡との関わりや従来の悼亡詩との違いにも目を配る、いわば全方位的なものです。特筆すべきは、伝統的な手法に則りながらも、韋応物の悼亡詩をそれぞれ独立した文学テクストとして分析し、鑑賞する視点をも失っていない点でしょう。そのため、本書を読めば、新しい学術的発見の現場に立ち会えた喜びのみならず、中国古典詩の面白さに触れられた快楽をも感じることができます。
 韋応物に関する研究論文そのものは国内外でそれなりに発表されていますが、書名に「韋応物」の名を含み、真正面から韋応物を論じた専門的な研究書は、日本国内のみならず、中国でもまだ出版されていません。その意味でも、本書は不朽の価値を持っています。皆さま、ぜひ御一読ください。
(日本文学科 専任講師 遠藤星希)

国立劇場キャンパスメンバーズ 公演のご案内(10-11月)

国立劇場・国立演芸場・国立能楽堂の、10月か11月の公演をお知らせします。

下記以外にも国立劇場では様々な公演が行われていますので、こちらのPDFファイルをご覧いただくか、80年館8階日文共同研究室前にあるチラシ、国立劇場ウェブサイトでご確認ください。

【キャンパスメンバーズ 会員限定レクチャー】

坂先出羽守/沓掛時次郎

▼11月11日(土)、11月25日(土)

10:45-11:30

▼講師:神山彰氏(明治大学教授・演劇学専攻)

▼料金:無料

(ご参加の方には国立劇場特製グッズと、11月歌舞伎公演プログラムをプレゼント)

▼申し込み方法:下記の事項を記載の上、メールにてお申し込みください。

◇件名:キャンパスメンバーズ11月レクチャー申し込み

◇本文:①氏名 ②学校・学部名 ③参加希望日

◇送り先アドレス:eigyo-nt@ntj.jac.go.jp

▼申し込み締め切り

11月11日の回:11月2日(木)締め切り

11月25日の回:11月17日(金)締め切り

※詳細はこちらのPDFファイルでご確認ください。

【国立劇場】

▼10月3日-10月27日 12:30~

13日・20日 16:00~

10月歌舞伎公演 通し狂言「霊験亀山鉾」

 

▼10月21日 13:00~

10月邦楽公演 「文楽素浄瑠璃の会」

 

▼11月3日-11月26日 12:00~

10日・17日 16:00~

11月歌舞伎公演 「坂崎出羽守」「沓掛時次郎」

 

▼11月11日 14:00~

11月雅楽公演 「管絃 青海波を聴く」

▼11月23日 13:00~/16:00~

11月舞踊公演 「舞の会―京阪の座敷舞―」

 

【国立能楽堂】

▼10月20日 18:30~

10月定例公演 狂言「御茶の水」松本薫(大蔵流)、能「枕慈童」中村邦生(喜多流)

 

▼11月1日 13:00~

11月定例公演 狂言「鈍根草」野村万禄(和泉流)、能「実盛」武田孝史(宝生流)

 

▼11月17日 18:30~

11月定例公演 狂言「水汲」深田博治(和泉流)、能「養老 薬水」櫻間右陣(金春流)

 

※発売中のチケットについては、既に売り切れている場合もありますことをご容赦ください。

第3回教員のつどい定例会開催のお知らせ

2015年度より、法政大学国文学会内で「教員のつどい」が発足しました。
教員のつどいは、法政大学文学部日本文学科および大学院人文科学研究科専攻を卒業し、主に国語教員として様々な地域や校種において勤務している者が、校種や地域の垣根を越えて、情報共有や意見交換をすることを目的としています。
活動としては、会員相互で情報共有と意見交換を行う場として、年に1回定例会を開催し、また参加できなかった会員にもその内容を共有するため、定例会の開催記録や参加者によるアンケート結果をとりまとめ、会員向けに発行しています。その他、メーリングリストの活用なども行っていますが、今年度も定例会の開催が近づいて来ましたので、下記のとおりお知らせします。

■日時:2017年 8月20日(日)14時30分~

■場所:法政大学ボアソナードタワー705教室

【定例会】14時30分〜
☆交流テーマ「定番教材のあつかいについて」(予定)

【交流会】17時00分〜[在学生で参加を希望する人は、下記の窓口教員までお問い合せ下さい]
☆会 費:2,000円(既卒生は、国文学会会費3,000円を別途申し受けます)
※別会場の予定で、交流会のみの参加も可能です。

教職をめざす学部生・大学院生の参加も歓迎します。参加を希望する方は、下記の申し込み先へメールにてご連絡ください。詳細は、PDFの案内もご覧ください。

〈申し込み先〉
法政大学国文学会 教員のつどい: hoseikokubunteacher(アットマーク)yahoo.co.jp

〈問い合せ先〉
教員のつどい 窓口教員 藤村 耕治:fujimura(アットマーク)hosei.ac.jp
田中 和生:ktanaka(アットマーク)hosei.ac.jp

・PDF「2017年度教員のつどい定例会のお知らせ(在学生向け)」
・PDF「2017年度教員のつどい定例会のお知らせ(既卒生向け)」

国立劇場キャンパスメンバーズ 公演のご案内(7‐9月)

国立劇場・国立演芸場・国立能楽堂の、5月から7月の公演をお知らせします。

下記以外にも国立劇場では様々な公演が行われていますので、こちらのPDFファイルご覧いただくか、80年館8階日文共同研究室前にあるチラシ、国立劇場ウェブサイトでご確認ください。

 

【キャンパスメンバーズ会員限定レクチャー】

文楽のひみつ―人形の「かしら」に秘められた伝統の技術を知る―

▼9月16日 13:00~  国立劇場内 伝統芸能情報館3階 レクチャー室

講師:村尾 愉(国立文楽劇場部 企画制作課 文楽技術室技術係長)

料金:無料

申し込み方法:下記の事項を記載の上、メールにてお申し込みください。

件名:キャンパスメンバーズ9月レクチャー申込

本文:氏名、学校・学部名

送り先アドレス:eigyo-nt@ntj.jac.go.jp

申し込み締め切り:9月15日 17:00

問い合わせ:03-3265ー6751

※詳細はこちらのPDFファイルでご確認ください。

 

【国立劇場】

▼7月22日 11:00~/14:00~

7月伝統芸能の魅力 「大人のための雅楽入門/声明入門」

 

▼7月23日 11:00~/14:00~

7月伝統芸能の魅力 「親子で楽しむ日本舞踊/邦楽」

 

▼8月11~12日 11:00~

歌舞伎音楽既成者研修発表会 「音の会」

img001

▼9月9日 14:00~

9月声明公演 「声明と雅楽 荘厳の調べ」

 

【国立能楽堂】

▼7月19日 18:30~

7月定例公演 狂言「隠笠」 山本泰太郎(大蔵流)

能「山姥」 野村四郎(観世流)

 

※発売中のチケットについては、既に売り切れている場合もありますことをご容赦ください。

2017年度 法政大学国文学会大会 プログラム

2017年度の法政大学国文学会大会プログラムが完成しましたのでお知らせいたします。

会員・卒業生のみなさまのご出席を心よりお待ちしております。また、会員でない方も大歓迎ですので、是非足をお運びください。

(会員外の方の事前申し込みは不要です。)

 

◆日時:2017年7月29日(土)  13時より受付開始

◆会場:法政大学 富士見ゲート棟 5階 G503教室

◆プログラム

開会挨拶(13時半より)

研究発表(13時45分より)

郁男と龍造 ―中上健次作品における〈父性〉の行方-

法政大学大学院 博士後期課程1年 鈴木 華織

講演(14時20分より)

 ノイズとしての二項対立 ―漢詩をもっと自由に読むために―

法政大学 専任講師 遠藤 星希

特別企画 『火山列島の思想』から五十年 ―今、益田勝実を― (15時20分より)

 開会挨拶                法政大学 坂本 勝

 Ⅰ 益田勝実の生涯と仕事

   〈追跡〉年譜と映像で             天野 紀代子

   〈証言〉益田論文の第一読者として        岡田 清子

 Ⅱ 講演再現

   「偽悪の伝統」(『火山列島の思想』所収)をめぐって

   (1990年3-4月、益田勝実、岩波市民セミナー「日本説話文学の展開」より)

 

総会 会務報告・会計報告・役員改選・その他(16時30分より)

 

懇親会 立食パーティー(17時より2時間程度)

※会費 一般:1,000円、学部・院生:無料

会場:富士見ゲート棟 つどい

 

◆研究発表要旨

郁男と龍造―中上健次作品における〈父性〉の行方―

法政大学大学院 博士後期課程1年 鈴木 華織

【発表要旨】

中上健次は、自身を取り巻く私的な環境から数多くの作品を生み出している。それについては、中上の〈盟友〉であった柄谷行人が「ある意味で、中上健次は根っからの私小説作家であった」と評していることからも知りえよう。それら諸作品の舞台となった故郷の被差別地域をモデルとして創りあげた「路地」と複雑な家族・親族関係は、お互いに関係を持ちながら描かれ続けられた。

それゆえ、中上作品は「血の宿命と土地の呪縛」といった切り口から評されることが多いのであるが、その「血の宿命」には父と子、代表作の『枯木灘』に準えると息子・竹原秋幸と実父・浜村龍造の対立が含まれており、エディプス・コンプレックス的な「父殺し」の視点から作品を論じる研究や評論が多くを占める現状となっている。しかし、〈父―母―子〉で構成される近代家族とは一線を画する「路地」の母系家族において、浜村龍造は中上作品の〈父〉たり得る人物なのか、また龍造以外に〈父〉の資格を持つ人物はいるのか、といった問いを立てることで中上作品の新たな〈父性〉を持つ人物を呈し、従来からとは違った側面からの〈父―子〉の読みの提示を行うことを本発表の目的とする。

 

◆問い合わせ先

【連絡先】法政大学国文学会事務局 担当 藤井 輝

〒102―8160 東京都千代田区富士見2―17―1

法政大学80年館内 日本文学科共同研究室

電話・FAX: 03―3264―9752

Eメール: hikaru.fujii.68@adm.ac.jp