『コレクション 私小説の冒険』①②が刊行されました

このたび、勉誠出版より、秋山駿・勝又浩監修、私小説研究会編の『コレクション 私小説の冒険』①②が刊行されました。初めてのテーマ別の私小説アンソロジーで、第1巻は「貧者の誇り」、第2巻は「虚実の戯れ」と題し、森鷗外から中沢けいまでの厳選された作品が収録されています。
監修者の一人勝又浩氏は法政大学名誉教授で、編者の私小説研究会は日本文学専攻の学生・卒業生を中心につくられた研究会です。2000年より活動を始め、『私小説研究』第1期10冊を刊行しています。
詳しくは勉誠出版のサイトをご覧ください。

第2巻の「解説」は、梅澤亜由美大正大学准教授(法政大学兼任講師)が執筆。

中国3大学において進学説明会・模擬授業が行われました

 去る10月21日から25日にかけて、スティーヴン・ネルソン教授、加藤昌嘉教授、小秋元段教授と半田朋之大学院課入試担当の4名が中国を訪れ、四川外国語大学、重慶師範大学、福州大学において大学院進学説明会と模擬授業を行いました。

 法政大学大学院人文科学研究科は2012年から13年にかけて、この3大学と大学院特別入学試験の実施に関する協定を締結し、日本文学専攻と国際日本学インスティテュートの入試を現地で実施することになりました。入試は4年生を対象に毎年3月に行われ、合格者は卒業(6月)後の9月に特別研修生として法政大学大学院に在籍し、修士課程に入学するための事前研修を受けることになっています。現在、中国では日本の大学院に進学を希望する学部卒業生が増えています。本研究科の取り組みはこうした要望に応えるもので、現地入試と事前研修を一体化することにより、留学生が日本の大学院での学修に円滑に移行できることをめざして開始されました。

 各大学では、日本への留学に関心をもつ多くの学生が参加し、教職員による説明に熱心に耳を傾けていました。そして、説明会終了後は日本の大学院における授業の様子や教員の指導方法、奨学金制度をはじめとする留学生活などをめぐり、活発な質疑応答がなされました。また、四川外国語大学、福州大学では加藤教授による模擬授業「『源氏物語』とはどういうものか?」、重慶師範大学では小秋元教授による「日本の古典文学に触れてみよう―『平家物語』を中心に―」が実施されました。いずれも日本の古典文学に関する講義でしたが、聴講者の反応は大きく、3大学の学生の皆さんの日本語・日本文化に対する理解度の高さが伝わってきました。

 なお、訪問時には各大学の教職員、学生の皆さんに歓待していただきましたことを、この場を借りて御礼申しあげます。四川外国語大学、重慶師範大学、福州大学のさらなる発展を祈念します。 

 

四川外国語大学におけるネルソン教授、加藤教授による進学説明会。同大学ではすでに本年3月に第1回入試を実施し、現在、5名の合格者が特別研修生として修士課程入学に向けた事前研修を法政大学で受けています。

重慶師範大学における進学説明会。半田朋之大学院課入試担当の説明を聞く学生の皆さん。2年生から4年生まで、100名近い参加者がありました。

福州大学における加藤教授の模擬授業。終了後、学生の皆さんから熱心な質問がありました。福州大学で本学科教員が実施する模擬授業は、去る3月につづいて2度目になります。 

 

通信教育部2013年度9月卒業学位記交付式

 10月6日(日)、外濠校舎S405において、通信教育部2013年度9月卒業の学位記交付式が行われました。
 神谷健司通信教育部長の祝辞に続き、卒業生が一人ずつ壇上に上がり、学位記を授与されました。
 日本文学科新カリキュラム移行後初めての卒業生は4名。卒業生の皆さんは、しっかりと前を見据えた真剣な表情で、学位記交付式に臨んでいました。
 
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 皆さんのご卒業を心よりお祝いし、ご活躍を祈念いたします。
 卒業後も、通信教育部で知り合った友人と交流を深め、時には母校に帰ってきて、元気な姿を見せてください。

市ヶ谷オープンキャンパスを終えて

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 去る8月25日(日)、8月26日(月)、2013年度8月のオープンキャンパスが、市ヶ谷キャンパスにて開催されました。
 日本文学科では、教員と学生による学科説明会に加えて、模擬授業が行われました。25日は加藤昌嘉先生の「ことば遊びと和歌」、26日はスティーヴン・ネルソン先生の「英文学になった『源氏物語』」、両日とも多くの方が参加し、先生のお話に熱心に聴き入る姿が見られました。
 法政大学国文学会が発行している文芸誌『法政文芸』の展示ブースには、これまでに発行された『法政文芸』が並べられ、実際に手に取り内容について学生編集委員に質問する方でにぎわいました。
 文学部6学科を紹介するブースでは、日本文学科の概要や4年間の流れ、実際に学生が使用している教科書やノートを展示し、文学部他学科の学生スタッフとともに、来場者の方をお迎えしました。

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「小説を書く勉強がしてみたいんですけど」

「言葉の研究って、どんなことをするんですか?」

「就職先って、やっぱり出版系が多いのでしょうか」

 来場者の方から寄せられる質問は様々です。特に受験を間近に控えた方から多くの質問をいただきました。
 どのような大学に入り、どのような勉強をしていくのか。ご自身の将来にかかわることですので、決めるのには勇気が必要だと思います。私達学生スタッフは少しでも後押しできるよう、1つ1つの質問に真摯に対応しました。

「お話を聞いて、また頑張ろうと思えました」

「私も法政の日文科で勉強できるよう、頑張ります」

日文学生トーク  来場者の方からこう言っていただけるのが、スタッフとしてやりがいを感じられる瞬間です。
 受験生の皆様は、目標に向かって勉強に励んでいらっしゃるかと思います。周囲と自分を比較して、不安になることもあるかもしれません。それでも自分のペースを乱さず、一歩一歩着実に進んでいくことを大切にしていただきたいです。
 皆様が納得のいく結果を得られることを、心から願っております。
 もしも法政大学のオープンキャンパスに参加したことがその手助けになったのなら、一スタッフとして、これに勝る喜びはございません。

(オープンキャンパススタッフ:文学部企画:日本文学科 4年:寺山茉佑)

『楽隊のうさぎ』の上映スケジュールが決定


  中沢けい先生の『楽隊のうさぎ』(新潮文庫)が映画化されました。既に撮影は5月に終了していましたが、この度、特設サイトがオープンし、上映スケジュールも公開されました。
  本作は、学校にいる時間はなるべく短く!と思っていた引っ込み思案な少年が、中学生になって何気なく入ったブラスバンド部の活動に夢中になり、徐々に成長してゆく姿を瑞々しく描いた作品です。日本文学科の学生にはすでに原作を読んでいる人も多いと思いますが、映像と音によって彩られた映画の世界にもぜひ浸ってみてください。
詳しい上映スケジュールはこちらをご覧ください。

2013年度通信教育部卒論一般指導が行われました

 報告が遅くなりましたが、通信教育部夏期スクーリング中の8月9日に、卒業論文一般指導が行われました。
 「卒業論文一般指導」とは、2年生以上が受講できる講義形式の卒論指導で、猛暑の中、今年度も多くの学生が『日本文学科のしおり』を手に、会場の外濠校舎S307教室に集まりました。
 事務の方から卒業論文提出までの手続きについて説明された後、今回は文学コース、言語コースに関する内容で指導が行われました。
 言語コースの間宮厚司先生からは、日本語学研究の進め方についての講義のほか、一般指導の次段階にあたる第1次指導に関する注意や、指導教員からの指導の受け方など、詳細な説明がありました。与えられた課題にそってリポートを執筆する日頃の勉強とは異なり、卒業論文では、自らの力でテーマを見出し、問題を解明するための方法を模索していかねばなりません。間宮先生は、その際に心に留めておくべき心得について、具体的な例をあげながら説明され、参加した学生は 少し緊張した面持ちで受講していました。
2013年度夏スク卒論一般指導_1 (間宮厚司教授による熱のこもった講義)

 卒論執筆について、不安や悩みを抱えている学生も多いと思いますが、卒論一般指導では、教員に直接質問することもできますので、この機会を利用し、いろいろ相談してみましょう。
 なお、卒論一般指導は冬期スクーリングでも行われます。出席できなかった人はもちろんのこと、今回出席した人も参加可能ですので、ぜひ受講してください。

2013年度夏スク卒論一般指導_2 (卒論一般指導では『日本文學誌要』『法政文芸』の配布・販売も行います)

2013年度通信教育部夏期スクーリング開講中です

 7月26日から通信教育部夏期スクーリングが始まりました。
 今年度から第1群・第2群では、夜間時間帯にも授業が開講されることになり、日が沈んだ後も、多くの学生が勉学に励んでいます。
 夏スク授業会場の外濠校舎の教室は、午後7時を過ぎても、煌々と明かりがついています。
2013年度夏スク日本文芸史I-3

 夜間時間帯に開講されている「日本文芸史Ⅰ」では、昨日、ちょうど担当の小秋元先生の専門である中世文学の講義が行われていました。
 小秋元先生の朗々とした『平家物語』の朗読、その後の丁寧かつ明解な説明を聞きながら、多くの受講生が熱心にノートをとっていました。
2013年度夏スク日本文芸史I-1 2013年度夏スク日本文芸史I-2

 第2群は今日で終了し、明日から第3群が始まります。
 今年度から、第3群は3日間の日程で行われることになりました。今年は金・土・日の開講です。
 第1群・第2群の夜間時間帯開講や第3群の3日間開講により、仕事を持っている通教生の皆さんも、夏スクーリングが受講しやすくなったのではないでしょうか。

 また、明日8月9日は、午後5時から外濠校舎S307教室で、卒論一般指導が行われることになっています。
 今年の卒論一般指導は、文学コース、言語コースの教員が担当します。
 4年生だけではなく、2年・3年の学生も参加できますので、まだ卒論提出まで時間がある学年の学生も、今のうちから卒論に対する心構えを持ち、学習が進めていけるよう、ぜひ出席してください。
 『日本文学誌要』『法政文芸』の販売も行いますので、「買いたかったけど買いそびれた」という方もぜひおいでください(夏期スクーリング中では最後の販売です)。

修士論文中間報告会が無事終了

7月24日(水)13:30より、大学院棟202教室にて修士論文中間報告会が開催されました。従来は秋に開催していましたが、教員や大学院生からのコメントを修論に十分に反映させるため、今年度より7月に開催することになりました。
当日の発表者は計18名。文芸創作研究プログラムを設置したことに加え、外国人留学生もやや増加したことから、今年度は例年より多くの大学院生が修士論文作成に取り組んでいます。博士後期課程の先輩からは勿論のこと、修士1年生からも積極的な質問が相次ぎ、夕方まで活発な議論が展開されました。発表者にとっては、落ち込んでしまうような厳しいコメントも多かったかもしれませんが、それ以上に、今後の課題がより明確になったというメリットの方が大きかったのではないでしょうか。これから夏期休業に入りますので、そこでじっくりと課題に取り組んでもらいたいと思います。

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