2026年度国文学会大会が開催されました

2026年度国文学会大会は、9月26日(土)13:30より、富士見ゲート5階 G503にて、対面とZoomを併用したハイフレックス形式にて開催されました。

勝又浩会長による開会の挨拶から始まりました。今年米寿を迎えられた勝又会長の100歳まで開会挨拶を続けられるようにしたいというお言葉に、会場からは「120歳まで」の声もあがりました。

研究発表は、博士後期課程3年の金子樹絵さんにより、「「戦争と平和」受容から見る、戦後の阿部知二の〈戦争観〉――〈抑圧〉の中における平和への〈賭け〉をめぐって――」という題目で行われました。発表では、戦後の阿部知二の〈戦争〉観を、レフ・トルストイ「戦争と平和」受容から見ていくことにより、〈抑圧〉により生ずる集団的な〈暴力〉である戦争から脱却する拠り所としての〈平和〉への賭けに対する考察がなされました。

講演は、2026年度から日本文学科へ着任された渋谷百合絵先生により、「表現形式としての「童話」――その特質と可能性」という題目で行われました。講演では、「童話」成立の経緯と受容、そしてその表現形式の特徴、最後には「大人のための文芸」でもある「童話」の可能性について、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を例にお話いただきました。

続いての講演は、2026年度末をもって定年退職なさるスティーヴン・G・ネルソン先生により「「越殿楽うたいもの」系歌謡の諸相―替え歌としての声歌(しようが)、寺院歌謡、箏組歌―」という題目で行われました。日本の替え歌文化を表す「越天楽うたいもの」系歌謡の時代変容とその諸相についてお話しいただき、後半にはネルソン先生により三時代の筝曲復元試演が行われました。ネルソン先生自らが五線譜に訳譜された資料を見ながら、会場参加者が箏の音とともに一緒に唄うという雅な機会に恵まれました。

なお、当日の発表・講演の詳細な内容につきましては、『そとぼり通信』第71号および『日本文学誌要』次号以降に掲載予定です。

総会では、2025年度の会務・会計報告と本年度の会務案・予算案、役員案とともに、国文学会会則の改定(主に第三・四・五章)について承認されました。『日本文学誌要』第115号(2027年3月刊行予定)より改定版の会則を掲載します。

大会終了後には、富士見ゲート3階カフェテリアつどひにて、懇親会が催されました。会員、学生、卒業生、教員に多数ご参加いただき、和やかな会場内では、大会で登壇された金子樹絵さん、渋谷百合絵先生、スティーヴン・G・ネルソン先生よりお話いただきました。金子さんへは、勝又浩会長や堀江拓充先生よりエールが送られ、渋谷先生・ネルソン先生へは、中丸宣明先生や小秋元段先生より楽しく興味深いエピソード、そして院生からはそれぞれ熱いメッセージが送られて、盛会のうちに終了しました。

『法政文芸』 第22号が刊行されました

『法政文芸』第22号「特集・ペンライトとペン:推し活という表現」が刊行されました。

目次は下記の通りです。

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巻頭詩 派生するエディション 小島日和

巻頭エッセイ 第四の壁のその先へ 五戸真理枝

 

【創作】

《小説》

オカンを育てる 長田彪太郎

イセマイリ 藤飯優

未明 神野照一郎

二つの食卓 成田摩利乃

巡礼 谷村采華

【特集】ペンライトとペン:推し活という表現

《インタビュー》

「推し」というプリズム 小林早代子

本を「推す」、その先へ――本屋大賞がつなぐ読書と書店 徳永圭子

《エッセイ》

推しを見ている時、推しもあなたを見つめている 斜線堂有紀

愛の上澄み 櫻井千姫

正典を求めて 遠藤かたる

「推し」と「好き」のあいだには 佐原ひかり

《学生企画》

推し本発掘録

執筆者紹介・編集後記

表紙+ロゴ作成 司修

表紙画像 中島晴矢

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なお、『法政文芸』第23号は、2027年度内の刊行を予定しております。

『法政文芸』編集委員会 公式アカウントも是非ご覧ください。

森陽香先生の論文が『高岡市万葉歴史館紀要』第36号に掲載されました

森陽香先生(日本文学科准教授)の論文が、『高岡市万葉歴史館紀要』第36号に掲載されました。

「『萬葉集』三七六七番歌の霊魂観―「たま」と「こころ」と―」を執筆されています。

この論文は、森先生が2025年度法政大学国文学会大会にて講演された題目「古代と古代性と」の中から、狭野弟上娘子の萬葉集について扱われた発表となります。

2025年度国文学会大会での講演内容につきましては、2026年9月17日に刊行された、『日本文學誌要』第114号に掲載されています。

あわせてご覧ください。

 

調査報道大賞2025奨励賞の記事が書籍化されました

『「ホームレス」は、どこへ行った 岐阜の現場から』
岐阜新聞「ホームレス」取材班 (著) 岐阜新聞社刊

 日文出身の山田俊介記者を中心にした取材班で新聞分連載した記事が書籍になりました。記事は新聞連載中から多くの反響がありました。(中沢)

『日本文學誌要』 第114号が刊行されました

『日本文學誌要』 (法政大学国文学会) 第114号が刊行されました。

目次は下記の通りです。

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《講演》

古代と古代性と 森陽香

《論文》

『枕草子』〈雪山〉の段の表現手法――「勝たせじ」とする定子を記す―― 大野豊彦

東陽一監督『風音』論――戦争の「記憶」と痕跡が示す共同体の「ポストメモリー」―― 柳井貴士

池田理代子『ベルサイユのばら』アダプテーション研究――男装の麗人オスカルにおける人生の選択―― 棚橋弘美

《卒業論文》

因果譚の構造からみる『西鶴諸国ばなし』の死の結末――『因果物語』との比較を通して―― 土屋美月

《学校教育の現場から》

古典の探求的授業を目指して 西田真悟

《論文題目》

大学院人文科学研究科日本文学専攻 博士論文・修士論文 題目一覧 二○二五年度

文学部日本文学科 卒業論文題目一覧 二○二五年度

通信教育部文学部日本文学科 卒業論文題目一覧 二○二五年度

《法政大学国文学会会則》

《法政大学国文学会教員のつどい申し合わせ》

《『日本文學誌要』投稿要項》

《編集後記》

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なお、『日本文學誌要』第115号は、2027年3月の刊行を予定しております。

2026年度法政大学国文学会大会開催のお知らせ

本年度の法政大学国文学会大会は、9月26日(土)に開催いたします。
前年と同様に対面とリアルタイム配信(Zoom)を併用したハイフレックス開催となります。会場は市ヶ谷キャンパス、Zoomによる参加も可能です。閉会後には、懇親会の開催も予定しております。(会費:一般・会員は2,000円/本学学生は無料)

みなさまのご参加をお待ちしております。

◆日  時 2026年9月26日(土)13時30分より
◆会  場     
     法政大学 富士見ゲート5階 G503教室
     ※ 対面参加、オンライン(ZOOM)参加、どちらも可能です。
     ※どちらの参加形態をご希望の場合も、

      事前に2026国文学会大会よりお申込みください。

◆プログラム

【開     会】13:30

【会 長 挨 拶】13:30~ 
 勝又 浩(国文学会会長・法政大学名誉教授)

【研 究 発 表】13:40~
 金子 樹絵 (法政大学大学院 博士後期課程)
 『戦争と平和』受容から見る、戦後の阿部知二の〈戦争〉観――〈抑圧〉の中における平和への〈賭け〉をめぐって―

【講    演】14:20~
渋谷 百合絵(法政大学准教授)
表現形式としての「童話」――その特質と可能性

【休    憩】15:10~

【講    演】15:20~
 スティーヴン・G・ネルソン(法政大学教授)
「越殿楽うたいもの」系歌謡の諸相―替え歌としての声歌(しようが)、寺院歌謡、箏組歌―

【総    会】16:10~
会務報告・会計報告・役員改選・その他

【閉    会】16:40

【懇 親 会】    17:00~   
富士見ゲート3階カフェテリアつどひ

2026年度教員のつどい定例会開催のお知らせ

 法政大学国文学会「教員のつどい」第8回定例会を、下記のとおり開催します。
 教員のつどいは、法政大学文学部日本文学科および大学院人文科学研究科日本文学専攻を卒業し、主に国語教員として様々な地域や校種において勤務している者が、校種や地域の垣根を越えて、情報共有や意見交換をすることを目的として、2015年度より法政大学国文学会内で活動しています。
 会員および教職に就かれている卒業生のみなさまはもちろん、教職に就くことが決まった在学生や教職を目指している学生も、情報共有や意見交換のためぜひ積極的に参加してください。

■日時:8月22日(土)14時30分〜
■場所:大内山校舎Y402教室

【定例会】14時30分〜
☆交流テーマ:「国語教育における文学作品の位置づけについて」
☆実践報告 :会員2名より報告
       ※実践報告後、グループ交流を行います。
【懇親会】17時30分〜
☆会費   :2000円(既卒生は、国文学会会費3000円を別途申し受けます)
       ※別会場の予定で、交流会のみの参加も可能です。

 実践報告の関係で「教員のつどい」会員は8月11日(火・祝)までに、それ以外の卒業生教員や在学生で参加を希望する方は8月15日(土)までに、下記の申し込み先へメールにてご連絡ください。

〈申し込み先〉
法政大学国文学会 教員のつどい: hoseikokubunteacher(アットマーク)gmail.com

〈問い合せ先〉
教員のつどい 窓口教員 藤村 耕治:fujimura(アットマーク)hosei.ac.jp
            田中 和生:ktanaka(アットマーク)hosei.ac.jp

「Edo Tokyo キャンペーン 2026 夏」に小林ふみ子先生が登壇されます!【2026年7月25日(土)】 

東京都のイベント、「Edo Tokyo キャンペーン 2026 夏」が、東京都江戸東京博物館との共催により開催されます。
7月25日(土)12:00~13:15に行われる江戸東京博物館ステージイベント、トークセッションでは、「江戸の納涼」について、装い・文芸・浮世絵の視点からの紹介となり、「文芸」のパネリストとして、小林ふみ子先生(日本文学科教授)が登壇されます。トークテーマは「隅田川と江戸文芸」です。その他にも、江戸文化を紹介する菅生歌舞伎や江戸の里神楽などの郷土芸能の公演も予定されています。
トークイベントの詳細は、以下のリンク・PDF別紙をご覧ください。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/07/2026071618

法政大学江戸東京研究センター編『海からみる江戸東京 東京湾の過去・現在・未来』が刊行されました

法政大学江戸東京研究センター編『海からみる江戸東京 東京湾の過去・現在・未来』が、6月29日に法政大学出版局より刊行されました。
江戸東京研究センター主催シンポジウム「東京湾シンポジウム」(2024年2月15日開催)と「海からみる江戸東京‐東京湾の歴史・現在・未来」(2025年1月12日開催)の2回のシンポジウムをもとに、EToS叢書5として書籍化されました。
田中優子先生(江戸東京研究センター特任教授・法政大学名誉教授)により「松平定信にとっての海」、米家志乃布先生(江戸東京研究センター長・地理学科教授)により「戦前の地図・海図からみる東京湾の空間認識」、小林ふみ子先生(プロジェクトリーダー・日本文学科教授)により「江戸前の島をめぐる説話」、中丸宣明先生(客員研究員・日本文学科元教授)により「「芝浜」論──勝五郎の海」が寄稿されています。
以下、書誌情報と目次は出版社サイトからの転載でございます。

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【書誌情報】

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中島晴矢『断酒酒場』書評

 本書の著者、中島晴矢氏とは酒席をいくたびか共にしている。氏とわたしが本学の文学部日本文学科で同時期に堀江拓充(立石伯)先生のゼミナールに所属していたためである(なお、その当時のことは氏の前著『オイル・オン・タウンスケープ』(論創社、二〇二二年)のなかで少しく書かれている)。

 当時の氏は、よく酒を飲み、また酒を飲めば文学・芸術の諸領域に関して弁舌さわやか談論風発であったように記憶している。一例をあげれば、氏に誘われるまま大学を自主休講し、日の高いうちから酒を間において、マン・レイの〈自殺志願〉を下敷きとしつつ文学者の自殺について日の暮れるころまであれやこれやと議論を交わしたのも、実に文学部生らしい愉快な思い出として、あれから一五年ほど経った今も覚えている。なお付言すれば、わたしは酒を飲みながらの文学談は楽しいものでありつつ酒精とともに忘れ去ってしまうことが多いために、そうした場での会話を書かれたものとして深めることができないことがほとんどで恥じいるばかりであるが、氏はそのときのことを「THE FAKE MONSTER」という批評として書いており、今も氏の個人サイトで読むことができる。

 さて、最後に氏と会ってから早一〇年ほど経ってしまったが、わたしは本書のことを知ったときに、いささか奇異の念にうたれた。すなわちあのように酒を楽しんでいた氏が「断酒」するとはいかなることであるか、と。

 氏が断酒にいたった経緯は本書のなかで明らかにされているので、ここでつまびらかに触れない。それが身体上の問題ではなく精神上の問題であったということを述べれば十分である。身体上の問題であれば、断酒しなければ健康を害し命を失うだけであり、それを避けたければ、やむにやまれぬものとして酒を断つよりほかはない。しかし、精神上の問題ということであれば、そこに、より内的な闘いがあると見ることは不当であろうか。いま「闘い」などということばを使った。それをあるいは氏は好まないかもしれないが、そのようなことばを使うには理由がある。このことについては後述する。

 私が読みとった本書の骨子は三つある。

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